グローバルフィンテックセンターの建設は上海国際金融センターと国際科学技術センターの相互強化を促進し、上海の国際金融センターとしての競争力と影響力を強化するための重要な手掛かりです。上海はフィンテックセンターの建設を重視してきて、2020年に「上海フィンテックセンター建設を加速的に推進する実施方案」を発表しました。2021年に「上海国際フィンテックセンター建設第14次５ヵ年計画」を発表し、フィンテックセンター建設を含む「２つのセンター」を建設する目標を掲げ、持続的に取り組んできました。

フィンテックの革新の機会をさらに掴め、フィンテックを強化するテクノロジーの乗数効果を発揮させ、現代金融システムの安全かつ制御可能の発展ニーズをよりよく満たし、上海国際金融センターの将来の新たな競争力を構築するために、上海市は「上海グローバルフィンテックセンター建設をハイクオリティで促進する行動方案」（以下、「行動案」）を策定し、政策供給のさらなる最適化により、上海フィンテックセンター発展のレベルとグローバル競争力を持続的に向上させます。

主要内容

「行動案」は、3～5年以内に上海を世界有数のフィンテックセンターに発展させるという目標を掲げ、7つの面から計31の政策措置が盛り込まれています。

１　フィンテックイノベーション支援システムを構築

上海国際金融センター建設を促進する指導グループを頼りに、上海フィンテックセンターの建設を促進する仕組みを構築します。上海フィンテックセンターの建設に向けた専門家諮問委員会の設置を検討し、意思決定に関する専門家の相談支援を強化します。フィンテックにおける独自技術研究や、フィンテックのインキュベーション・アクセラレーションシステムの構築などを支援します。

２　フィンテックの革新的モデルシナリオを創出

金融とテクノロジーの融合応用を加速します。上海の産業優位性と金融分野における豊富な応用シナリオを踏まえ、フィンテックの革新を促進します。金融市場、海運貿易のデジタル化、国境を越えた決済などの分野におけるデジタル人民元の革新的な応用を促進し、価値モデルにおけるデジタル人民元の応用を模索します。

３　フィンテックに対する監督管理とフィンテック安全性を向上

上海でより柔軟なフィンテック「監督管理サンドボックス」メカニズムの構築を検討し、リスク制御可能な条件の下で、フィンテックの革新と探索のために監督管理についての提案と政策支援を提供します。すべての金融活動は法に従って監督管理されることを堅持し、フィンテックの倫理構築と消費者保護を強化します。

４　フィンテック空間配置とキャリアー建設を最適化

浦東、黄浦、臨港新片区などの地域にフィンテック集積区の構築を推奨し、関連する支援政策を打ち出し、フィンテック企業の集積発展の促進、革新的な主体の構築の推奨、良質な空間キャリアーの構築などを支援します。

５　フィンテックインフラの建設を強化

上海の金融インフラによるフィンテック応用とデジタルトランスフォーメーションへの模索をサポートします。金融分野におけるコンピューティングパワー、コーパス、ブロックチェーンなどのインフラの構築を促進し、上海に大規模言語モデル金融コーパスデータベースを構築します。医療保険ビッグデータイノベーションラボラトリーの構築を促進し、医療保険データと商業保険データの統合と共有を促進します。上海自由貿易区と臨港新片区の制度革新と試行優位性に基づき、金融分野における国境を越えたデータフローのネガティブリストを策定します。

６　フィンテック企業の融資への支持を強化

上海フィンテック産業向けの特別基金の設立を検討し、社会資本がフィンテック分野への投資を増加するよう誘導します。フィンテック企業が上場や社債発行を通じて資金調達するのを支援します。大手フィンテック企業が合併、買収、再編を通じて業界チェーンのリソースの統合を強化することを支援します。フィンテックに対する正確かつ効率的なテクノロジークレジットサービスを提供し、フィンテックイノベーションに対する保険サービスを継続的に拡大します。

７　フィンテック発展環境を最適化

上海フィンテック人材の育成拠点を構築し、フィンテック人材を引き寄せます。上海フィンテック産業連盟や知能投資研究技術連盟（Investment Technology League、ITL）などのフィンテック業界組織の発展を促進します。良質なフィンテックプロジェクトのイノベーションを奨励し、「上海フィンテックイノベーション計画」を検討し、立ち上げます。ハイレベルな活動を通じてフィンテック分野における国際交流と協力を深めます。フィンテック支援政策を研究・策定し、インセンティブ・支援策を改善します。フィンテック分野における政策文書や典型的な事例の広報・宣伝を積極的に実施します。

※なお、本文書は、中文で作成され、日本語に翻訳されます。中文版が正本であり、日本語版は参考として作成されます。これら両言語版の間に矛盾抵触がある場合、中文版が優先します。

情報源：WeChat公式アカウント「上海発布」