上海、国際医療サービスブランドを構築 外国人患者数が前年同期比25%増加
2023年以降、上海は国際医療サービスの海外プロモーションを強化し、顕著な成果を上げています。オランダ、ポーランド、ジョージア、ウズベキスタンなど多くの国からの患者が上海の医療機関に来院しています。2024年だけで、上海市内の医療機関が対応した外国人および香港特区・澳門(マカオ)特区・台湾地区の退院患者数は前年同期比で25%増加しました。
しかし、外国人患者数が増加している一方、上海の国際医療には長年サービス基準が統一されていないという課題があり、持続可能な発展に影響を及ぼしていました。全国的にも参照できる国際医療サービス基準がなかったため、基準策定が重要な課題となっていました。
上海市の地方標準である「国際医療サービス基準」は昨年6月18日に公布され、10月1日から正式に施行されました。本標準は「上海市国際医療観光試行事業」に規範文書および技術指針を提供するとともに、国際医療サービスを提供する医療機関に対し、明確かつ実践的な行動指針を提示しました。また、最近開催された「世界標準の日」をテーマとしたイベントにおいて、同標準は大健康分野(健康コンサルティングや公衆衛生サービスを柱とする産業)の「上海標準」として選定されました。
中国初の国際医療分野の地方標準として、「上海標準」は診療モデルと識別体系の革新を図り、上海の国際医療サービスを規範化しました。これにより、都市医療ブランド創出への強力な支援も実現しています。
上海市医学会涉外医療専門分会主任委員、華山病院国際医療センター主任の顧静文教授は次のように紹介しました。同標準は、国際医療サービスを提供する機関、制度整備、スタッフ配置、サービス内容、評価および改善の要件を規定しています。さらに、用語と定義を明確化し、国際医療機関は自己評価または第三者評価を通じて、定期的に国際医療サービスの実施状況を評価し、その結果に基づいて改善措置を講じ、サービス品質と管理水準の継続的な向上を図ることが求められます。同標準には、国際医療専用のロゴも付属しています。
「上海標準」では、総合病院が「総合診療+専門診療」の臨床診療モデルを採用することが望ましいと初めて提案されました。このモデルは、国際的に広く認められている国際医療サービスの提供形態です。標準の実施後、市内の国際医療サービス機関は、多言語対応サービス、予約診療、商業保険の直接精算、国際医療観光手続きなど、さまざまな面で患者の体験が大きく向上しました。例えば華山病院では、今年1月から11月までの国際医療外来患者数が前年同期比で25%増加しました。
上海市科学技術協会副主席、上海市医学会会長の鄔驚雷氏は、中国在住の外国人の医療ニーズに対応すること、そして技術力を活かして外国人患者が治療を受けることを目的として訪中するよう促すことが、国際医療発展のために注力すべき2大市場であり、今後も医学会のプラットフォームとしての役割を継続的に発揮し、医療技術の進歩と上海医療の国際ブランドづくりを推進する方針だと述べました。
出典:上観新聞