ハイレベルな国際臓器移植学会、上海で初開催

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学会会場(写真提供・上観新聞)

データによりますと、中国には約4億人の肝疾患患者と700万人以上の肝硬変患者がいます。中国では毎年新たに30万~50万人が肝不全を発症しており、また毎年3000~5000人の子どもが様々な先天性疾患により乳幼児末期肝硬変に至っており、肝移植手術が彼らを救うほぼ唯一の方法となっています。

この20年間、中国工程院院士であり、上海交通大学医学院付属仁済医院の院長でもある夏強氏は、2006年以来、同病院の肝臓外科チームを率い、小児生体肝移植という非常に難易度の高い挑戦を「不可能」から「世界一」へと変貌させました。同チームは今や世界最大の小児肝移植センターとなり、年間実施件数は12年連続で世界第1位を維持しています。米国、英国、ベルギー、ロシア、日本、韓国、シンガポール、ウズベキスタン、ベトナム、フィリピン、マレーシアなどの国々も、肝移植技術の研修のために仁済医院に医療スタッフを派遣しています。

10月17日から19日にかけ、夏強氏が学会会長を務める「2025年第7回国際生体肝移植学会学術大会 兼 第7回東方臓器移植大会(iLDLTG-OCOT 2025)」が正式に開催されました。中国本土がこのようなハイレベルな国際臓器移植関連の大会の開催権を獲得したのはこれが初めてであり、中国の臓器移植、特に生体肝移植における国際的な影響力が日増しに高まっていることを示しています。

3日間の会期中、同チームはさらに世界各国の同業者と共同で、生体肝移植分野、特に低侵襲ドナー肝採取に関するコンセンサスとパスウェイを発表しました。国際腹腔鏡肝臓学会と国際生体肝移植学会は共同で「低侵襲ドナー肝採取技術に関するグローバル専門家コンセンサス」を発表しました。このコンセンサスは「ドナーの安全第一」を前提とし、腹腔鏡/ロボット支援などの低侵襲ドナー肝採取における適応選択、術式基準、周術期管理、品質管理と学習曲線評価、データ報告と継続的改善に焦点を当て、体系的かつ実行可能な提言を打ち出しています。規範化された基準と再現可能なプロセスを通じて、各医療機関が低侵襲ドナー肝採取を着実かつ安全に実施することを推進し、全世界の移植センターの標準化と持続可能な発展を後押しするものです。

なぜ中国・上海が選ばれたのでしょうか?「我々の小児生体肝移植は、実施件数が多く、経験豊富で、技術も高いだけでなく、手術費用も欧米諸国の同種手術の5分の1から3分の1程度であり、これが多くの海外の小児患者を惹きつけている理由の一つです」と夏強氏は語ります。また、生体肝移植の将来の研究方向について、夏強氏は自身の展望と重点的に探求すべき二大分野を提示しました。「一つ目は、小児肝移植手術後、いかにして彼らが免疫抑制剤から離脱できるようにするかです。これは子供たちの長期的な生活の質にとって非常に大きな助けとなります。二つ目は、小児肝移植のレシピエントの一部には代謝性疾患が存在するため、我々は細胞治療や遺伝子治療に基づくアプローチなど、新たな治療手段を用いてより多くの問題を解決する方法を研究しています」。

出典:上観新聞