外国人が上海で中国医学を体験する

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近年、上海に住む外国人が中国医学に触れ、その古代からの医学体系の独特な魅力を体験する機会が増えています。龍華病院では、上海モネステ音楽制作有限公司のエドウィン・モンテアレグレ(Edwin Montealegre)総指揮者と上海スポットライト社のアレックス・バトラー(Alex Butler)総経理が「国際体験者」として上海中医薬大学附属龍華病院を訪れ、中国医学を深く探り始めました。

健康という理念の再認識

モンテアレグレ氏はこれまで西洋医学の「即効的」な症状緩和のアプローチに慣れていましたが、鍼灸(はり・きゅう)を体験して、中国医学を再認識し、「私たちは調子が悪いときには普通、すぐに痛みを和らげる方法を探しますが、中国医学の理念は体を再びバランスの取れた状態にすることで、痛みを和らげるだけでなく、体の不調の原因である体内のアンバランスな要素をなくすという、根本的な治療を行います」と述べました。

イギリス出身で上海に9年間住んでいるアレックス・バトラー氏も中国医学の経験があり、これに深く共感し、その「総合的」な治療のアプローチを「中国医学は特定の症状だけに焦点を当てるのでなく、身体全体に焦点を当てているのです」と高く評価しています。また、「中国医学は問題が発生してから治療するのではなく、未然に防ぐことを重視しているのです」と、中国医学が疾病予防において有利であることにも言及しました。

上海中医薬大学附属龍華病院の王暁医師は中国医学の理念について、「中国医学を分かりやすく言えば、『病気を引き起こす原因を体の外に追い出す』ことで体の修復を助けるもの」と説明しました。この理念は数千年も前から存在していますが、現在でも重要な価値があり、西洋医学と補い合って、医療レベルを向上させることができます。

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龍華病院で推拿治療を体験するエドウィン・モンテアレグレ氏(撮影・高爾強/中国日報)

中国を代表する中国医学医療機関である龍華病院は、1960年の設立以来、鍼灸・推拿・ペインコントロール、そして、中国医学と西洋医学の融合治療に取り組んできました。モンテアレグレ氏とバトラー氏は、この体験を通じて、陰陽のバランス、全体観、気の流れといった中国医学の概念を深く理解し、鍼灸と推拿を実際に体験することで、中国医学と現代医学の結び付きをより直感的に感じることができました。

中国医学の国際的な広まり

バトラー氏は特に、龍華病院のように中国医学と西洋医学を結合させる病院は、通常は見過ごされがちな要因に対処する、より効果的な方法を生み出していると指摘しました。彼は、中国医学は筋肉痛の緩和などに効果的であり、もっと人々に注目され体験される価値があると考えています。

中国医学を海外に広めることについて、王暁医師は、強い自信を持っており、「人類はより健康的な身体とより良い生活を追及するという共通の目標を持ち、価値観を共有しています。もし私たちが率先して皆に理解できるような言葉や方法で、興味深い話題とともに話すことができれば、喜んで受け入れられるでしょう」と述べました。

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国際体験者に入院施設を紹介する龍華病院の医療スタッフ(撮影・高爾強/中国日報)

実際、龍華病院は中国医学の国際的な普及も積極的に推進しています。同病院の陳昕琳院長は、同病院は海外の多くの国に複数の医療チームを定期的に派遣しているだけでなく、多数の海外留学生を対象に教育実習も行っていることを明らかにしました。

陳院長は、モンテアレグレ氏とバトラー氏が中国医学の体験をより多くの人に伝え、より多くの国際体験者が中国医学の魅力を体験し、病院に貴重な意見を提供してくれることを望んでいます。

発展し続ける世界の医療システムを背景に、上海は中国医学の国際化にとって重要な窓口となりつつあります。今後、中国医学の影響力が海外で更に拡大するにつれ、長い歴史を持つこの医学の宝庫は、世界で新たな輝きを放つことになるでしょう。