オダギリジョー、数年ぶりに上海訪問 『夏の砂の上』が上海国際映画祭でワールドプレミア
6月20日、金爵賞コンペティション部門のノミネート作品『夏の砂の上』が上海影城SHOでワールドプレミアを迎えました。玉田真也監督、主演のオダギリジョーが登壇し、ファンからの歓声を引き起こしました。

ファンと交流している玉田真也監督と主演のオダギリジョー。(写真提供・上観新聞)
これは日本を代表する俳優・オダギリジョーの数年ぶりの上海訪問です。今回は映画プロデューサーとしての新たな顔も見せ、撮影の合間に編集やポストプロダクションの音響作業を監督と共に手がけました。「現在、日本の商業映画は小説や漫画の実写化をメインとしているが、本作品は出資者から敬遠されがちなニッチな芸術作品として、更に芸術的で魅力的だ。プロデューサーとして携わることで、こうしたニッチな芸術作品により多くの注目と投資を集め、より豪華なキャストを迎えたい」。
「再び上海に戻って来てうれしい。今回はパンデミック後初の海外出張だ。前回は婁燁(ロウ・イエ)監督の『サタデー・フィクション(原題:蘭心大劇院)』の撮影で上海を訪れ、上海にまる3ヶ月住んで、あちこち歩き回ったんだ。あの頃は本当に楽しい日々だった。今回久しぶりに来てみたら、上海には昔ながらの伝統建築も残っているし、欧米風の近代ビルもあって、日本の街並みとは全然違う雰囲気。この風景をカメラに収めたい」と、オダギリジョーは記者会見で語りました。ここ数日、この帽子をかぶってカメラをさげた日本人俳優を、映画館周辺で目撃したファンが続出しており、街中の小籠包屋さんで見かけたという声もあがっています。
玉田真也監督は上海国際映画祭の国際的影響力について、「これはアジアで最も影響力のある映画祭だ。上海の観客は非常にレベルが高く、この街には豊かな歴史と文化の深みをもっている。作品を上海の観客に届けることができて大変光栄に思う」と語りました。

映画『夏の砂の上』の公式ポスター。(写真提供・上海国際映画祭)
『夏の砂の上』は読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した松田正隆の同名舞台劇を原作としており、玉田真也監督が舞台劇の経験を映画で活かし、静謐で穏やかな映像表現で、長崎の夏を舞台にした癒しの物語を紡ぎだしました。21日夜に行われた第27回上海国際映画祭金爵賞授賞式で、『夏の砂の上』と中国映画『長夜将尽』(長い夜が明ける)が共に審査委員会特別賞を受賞しました。
出典:上観新聞、上海国際映画祭