イノベーションとハブ機能を強みに 外資の対上海投資拡大が続く
7月以降、多くの外資系企業によるプロジェクトが上海で相次いで稼働を開始しました。グローバルバリューチェーンの再編が加速する中、上海は多国籍企業にとっての単なる「中国展開の入り口」から、グローバルなイノベーション創出とサプライチェーンを支える「重要なハブ」へと進化しています。
7月8日には、総投資額3億元超のレキット ベンキーザー上海サイエンス・イノベーションセンターが正式に活動を開始しました。同センターは、同社がアジアで持つ最大の研究開発(R&D)拠点であり、最先端の研究開発力を結集することで、中国発の研究開発成果を世界市場へと展開する役割を担います。
現在、中国市場で販売されているレキット製品の約95%は、中国の消費者ニーズに合わせて開発されたものです。同社の最高経営責任者(CEO)は、中国市場は今や同社の事業イノベーションを牽引する重要な存在となっているだけではなく、新センターの設立により、中国が同社のグローバル・イノベーションネットワークの中核拠点へと発展する展望を示しました。
説明によると、同センターは設計段階からAI技術を取り入れており、実験・研究開発に加え、製品展示やライブコマース体験に至るまで、さまざまな場面でAIを活用することで、イノベーションの成果をより効率的に消費者へ届けています。
レキット上海サイエンス・イノベーションセンターの外観 (写真提供・レキットベンキーザー)
研究開発拠点の設立が上海の「イノベーションの求心力」を示すものだとすれば、サプライチェーン関連インフラは、グローバルハブとしての上海の代替不可能な優位性をより一層際立たせています。
このほど、アマゾンは長江デルタ地域に「グローバル在庫管理および配送サービス(GWD) 」倉庫を設置し、上海と寧波の2拠点で同時に稼働を開始したと発表しました。このうち上海拠点は臨港新片区(エリア)に位置し、洋山深水港に隣接しています。自動化立体倉庫やスマート倉庫管理システムを備え、事業ニーズに応じて柔軟に保管能力を拡張できる体制を整えています。
アマゾンのピユシュ・サラオギ 担当副総裁は、中国の出品事業者は今後、「一度入荷すれば全世界へ供給する」体制を実現できると説明しました。現在、GWDはアマゾン米国のFBAネットワーク(Amazonフルフィルメントセンター)への在庫補充に対応しており、今後は欧州連合(EU)、英国、カナダなどへと対象地域を拡大する予定です。
「グローバル在庫管理および配送サービス(GWD)」倉庫内部の様子 (写真提供・文匯報)
アマゾンが越境EC向けのGWDを上海に配置したことは、上海が国際輸送センターとして持つ強みを高く評価することを示しています。現在、上海における越境EC向けの航空ネットワークは世界53カ国・302ウェイポイントを結び、海運ネットワークは200以上の国・地域、700以上の港湾へとつながっており、世界のサプライチェーンの円滑な運営を力強く支えています。
多国籍企業による中国への投資が拡大するする中、「中国発のアイデア」は着実に「グローバルソリューション」へと進化を遂げています。
7月2日には、コンバースの新製品「CHUCK 70 X」が上海で世界初公開され、期間限定の体験スペースもオープンしました。同社大中華区の責任者は、この数カ月で同社が打ち出した「中国ローカライゼーション4.0」戦略が着実に進展しており、中国チームが開発した複数の新製品は発売前にもかかわらず、すでに世界市場から高い関心を集めていると紹介しました。現在、コンバースは、中国市場をイノベーション創出のためのインキュベーターとして位置付け、中国市場で培った知見や成功事例を世界へ展開しています。
コンバースが新製品「CHUCK 70 X」を上海で世界初公開。 (写真提供・文匯報)
データによると、今年上半期に上海で新規設立多国籍企業の地域統括本部は25社、外資系研究開発センターは24カ所に達しています。グローバル経済の不確実性が高まる中、多国籍企業が上海を選ぶ背景には、「安定した事業環境」「完備された産業チェーン」、そして「日々高まるイノベーション力」があります。
出典:文匯報、上観新聞