サービス業の開放を拡大するとこで、「中国へ投資」ブランドを確立

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「十五五」(第15次五カ年計画)の初年度となる今年、全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)は中国がハイレベルな対外開放を拡大するという強力なシグナルを再び発信しました。政府活動報告では、サービス業を重点に市場参入を認める分野と開放分野の拡大、付加価値通信網、バイオテクノロジー、外資系病院など分野の試行運用のさらなる拡大、デジタル分野の秩序立てた開放、越境サービス貿易のネガティブリスト上の参入規制の緩和を明らかにしました。

中国の対外開放の窓口として、上海のサービス業がGDPに占める割合は年々上昇し、2021年から2024年までそれぞれ75.5%、76.4%、77.3%、78.2%を占め、経済成長をけん引する主な原動力となっています。

全国人民代表大会代表、立信会計師事務所(BDO China)のチーフパートナーである朱建弟氏は、「サービス貿易における障壁は、関税のような国境を越える際の障害ではなく、ルールや管理、基準などの『ボーダー裏』の規制にあります。このため、開放拡大の核心は、国際的な高水準の経済・貿易ルールとの整合を進め、開放を通じて改革を促進し、世界一流のビジネス環境を整備することにあると指摘しました。

朱氏はまた、上海が複数の分野からサービス業における「開放が難しい分野」に取り込むべきだと提案しました。例えば、上海は、会計、法律、コンサルティング、建築設計などの分野における資格要件の制限をさらに緩和し、より多くの外資系機関や合弁機関が中国企業の「海外進出」に対して直接支援できる環境を整えることが考えられます。またフィンテック分野では、上海は金融の対外開放を土台に、クロスボーダー決済やデジタル人民元、グリーンファイナンスなどの分野に重点を置くことで、世界のフィンテク大手の研究開発拠点を誘致することも期待できます。

「十五五」期間中のサービス業の市場参入を認める分野と開放分野を見ると、通信、インターネット、教育、文化、医療などが対象になっており、デジタル分野の秩序ある開放が言及され、「中国サービス」の対象範囲がますます広がっています。

朱氏はデジタル分野の開放について語る中で、「現在、多くの金融、製造、バイオ医薬などの多国籍企業では、グローバル規模での研究開発や経営管理などのニーズが高まっている。自由貿易試験区では、『データ越境移転ネガティブリスト』や『データ保税区』の試行的な導入を進めることで、データコンプライアンスやデータホスティング、越境データ審査などといった専門サービス産業の育成につなげることができる」と、越境データの流通に秘められた可能性にも言及しました。

朱氏によれば、サービス業の開放は、物理的な「壁の取り除き」から制度上の「道作り」への転換に重点を置く必要があり、これを実現するにはシステムを統合したイノベーションが求められています。また、政策面では国際的な高水準の経済貿易ルールを照合しながらストレステストを行います。サービス面では「規制のサンドボックス」メカニズムの試行を提案しました。ブロックチェーンに基づいた国際決済や新型デジタル資産取引など、デジタル経済・オフショア貿易における革新的な業務について、政府と企業が共同で「規制のサンドボックス」で管理可能な範囲内でイノベーションテストを行い、テストに成功後実施します。

全国人民代表大会代表、奥盛集団の董事長である湯亮氏は、サービス業の開放は大きな意義を持っているとの見解を示しました。「市場参入を認める分野の開放の拡大は、『増量の拡大』であり、特に外資が通信・医療・教育などの分野に参入できるようにすることは、中国が最もコアな市場を共有していることを意味します。質の向上と容量の拡大は『存量の安定化』であり、ビジネス環境の最適化、標準化建設、フルライフサイクルサービスの提供を通じて、外資系企業が中国市場で公平に競争できるようにします」と同氏は述べました。同氏によれば、この二つの点が「中国へ投資」の閉ループロジックを構成しており、これより、「中国へ投資」が短期的な話題から予測可能な長期的な価値投資目標へと変化します。

昨年末までに、中国の実際の外資利用額(実行ベース)は16年連続で7000億元を超え、世界トップクラスを維持しています。中国で投資する外資系企業の営業収入と利益総額は全体的に増加傾向にあります。サービス業開放拡大の新たな機会に直面し、全国政治協商会議委員、普華永道中天会計師事務所(PwCの中国本土部門)のチーフパートナーである李丹氏は、三つの面からさらに強力に外資を誘致・活用するよう提案しました。

李氏の提案の内容は以下の通りです。まず、開放分野の拡大として、中国の超大規模市場、完備した産業体系、良好なイノベーションエコシステムを十分に活用し、全国統一市場の建設を深く推進し、付加価値通信網、バイオテクノロジー、外資系病院などの開放試行分野に焦点を当て、政策解釈と宣伝を強化します。次に、ビジネス環境の最適化として、投資予期を安定させ、政策の策定と実施の一貫性・連続性・安定性を堅持し、外資系企業の公平な待遇を保障し、外資系企業が中国での再投資を拡大するよう奨励します。さらに、ハイエンド資源の集積として、サービス保障を強化し、外資系企業が中国に地域本部やR&Dセンターを設立することを支援し、フルライフサイクルサービス保障システムを完備させ、外国人管理層が中国で長期的に仕事・生活するよう誘致します。

出典:上観新聞