上海・復興島――「グローバル・メイカー・ランド」が始動

japanese.shanghai.gov.cn
图片1.png

 「上海・復興島―グローバル・メイカー・ランド」始動式および「2025年上海量子都市年次大会」(写真・上観新聞)

12月18日、上海市楊浦区の復興島にて、「上海・復興島―グローバル・メイカー島」始動式および「2025年上海量子都市年次大会」が開催されました。中国共産党上海市委員会の陳吉寧書記が出席し、「上海・復興島―グローバル・メイカー・ランド」プロジェクトの始動を宣言しました。

復興島はかつて、上海の重要な工業基地および倉庫エリアとして発展し、現在も多くの倉庫、工場、埠頭などの産業遺構が残されています。黄浦江沿岸の開発が進められる中、復興島を中心とする黄浦江の中北エリアは、都市発展における重要な戦略的空間となっています。

2024年12月、復興島は「量子都市・時空イノベーション先行実験区」に指定され、「空白の地」から「イノベーション拠点」へと転換し始めました。

さらに、2025年9月に発表された「上海市黄浦江浜江中北区間特別計画」では、復興島を国際的なイノベーション・アントレプレナーシップ・アイランドとして整備し、未来都市の実験区、イノベーション・アントレプレナーシップと人材の集積区、空間インテリジェンス革新の先行区とすることが明確に示されました。

图片2.png

2025年8月、復興島で「二次元ブーム」を引き起こした小紅書「RED LAND」オープンワールド冒険島イベント(写真・上観新聞)

産業遺構を「全プロセス対応型のイノベーション施設」へと転換

復興島は「グローバル・メイカー・ランド」の構築を目指しています。島内に残る既存の産業建築物を、共有ラボやコンセプト検証センター、パイロットテストの拠点などへと順次改造しています。これにより、世界中の起業家・研究者に向けて、多様で低コストのイノベーション・起業環境を提供します。また、エンボディードAI、ライフ・ヘルス、次世代エネルギーといった最先端分野を中心とした、研究開発から事業化までの全プロセス対応型の「起業支援ハブ」が形成されつつあり、より多くのハイテクと波及効果を持つ産業プロジェクトの集積・成長を促進することが期待されています。

同時に、「雲宇星空」や「メイカー・アカデミー」などのイノベーション拠点の整備も加速しており、今後は世界的に著名な新型研究開発機関や科学技術系インキュベーターを誘致し、専門性の高いチームを編成して、技術検証・市場連携・資金調達などの「ワンストップサービス」を提供していく予定です。

全面的な支援体制の構築

ハード面の整備に加え、復興島では政策とサービス面の整備も同時に進められています。楊浦区は、復興島イノベーション・アントレプレナーシップ集積区に向けて、起業の全段階をカバーする政策支援システムを構築する方針だといいます。具体的には、創業初期の賃料減免、AIコンピューティング・コストへの補助、有力インキュベーターへの運営支援、企業の技術開発への奨励、各種特別資金の申請サポートなどが含まれます。

金融面では、楊浦区内外の金融機関と連携して資金調達ルートを整備し、政府系ファンドを設立し、企業のライフサイクル全体を支援する科技金融サポート体制を構築していきます。人材サービス面では、いわゆるチーム構成の「雁行陣(タレント・グースフォーメーション)」の形成を目指し、起業人材の育成とサービス保障の強化を図ります。

世界の知恵を集め、若者の力を引き出す

復興島でイノベーション・エコシステムは、今、世界各地から多様な力を引き寄せています。「イノベーションを理解し、支援の体制が整い、各種リソースがスムーズにつながる」ことなどが、多くのチームがここで事業を立ち上げる理由となっています。現在、楊浦区は世界に向けて、国際的な視野、エコシステムの構築力、科学技術の理解力を兼ね備えたトップレベルの育成者を募集し、若い起業家が安心して挑戦できる環境整備を進めています。

图片3.png

2025年11月、復興島で開催された「2025グローバル起業ウィーク・中国」シーリズイベント(写真・上観新聞)

2025年11月、第1回「復興島イノベーション・インキュベーション大会」が開催され、イノベーションと起業支援の新たなインキュベーション・プラットフォーム「復興島創孵匯」が発足しました。さらに2025年12月、第10回楊浦グローバル・イノベーション起業コンテストの開幕式および世界若手科学者イノベーション・起業フォーラムが開催され、復興島国際イノベーション・アントレプレナーシップ集積区の建設が正式に始動しました。また、分野横断的な専門家10名が、第1期の「起業メンター」に任命されました。

同時に、復興島に上海初となる、若手科学者を中核とした質の高いインキュベーター「世界青年科学者連合会上海センター」が開設されました。同センターは、デジタル経済や人工知能などの分野を中心に若手科学者による学際的研究や研究成果の実用化を支援しています。

現在、復興島は「低コスト、迅速なイノベーション、オープンな環境」を方針として、戦略的な都市空間の再生と科学技術イノベーション創出機能の融合を深めています。将来の先端分野を先取りし、応用シーンの創出、産業インキュベーション、人材集積を加速することで、国際的なイノベーション・アントレプレナーシップ集積区の形成を進めています。今後、復興島で共通基盤となるオープンで共有型のパイロットテスト・育成プラットフォームが順次整備され、世界中のアイデアをハードコア技術と製品へと結実することを後押ししていきます。

出典:上観新聞、解放日報