上海、外資系企業の発展にさらなる確実性を提供へ

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第37回上海市市長国際企業家諮問会議(以下、上海諮問会議)は、10月12日にすべての議題を無事に終え、円満に閉幕しました。会議後、上海市委副書記・市長の龔正氏、ロシュ・グループ取締役会長のクリストフ・フランツ氏、ティッシュマン・スパイヤー社CEOのロブ・スピアバー氏などが記者会見に出席し、質問に答えました。

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10月12日、上海で開催された第37回上海市市長国際企業家諮問会議(撮影・李永楽)

記者会見で龔正氏は「今回の会議テーマは『開放・革新・包容——2030年に向けた上海の発展戦略』であり、国際企業家たちは科学技術による価値創造、戦略的優位性、開放の最前線、グリーンの実践などの議題をめぐり、建設的で実りある対話と意見交換を行いました。数多くの洞察に富んだ建設的な提言がなされました。私たちはこれらの知見を上海の『第15次五ヶ年計画』における具体的施策へと転化させ、共により良い上海を築いていきます」と語りました。

龔市長は、会議の現議長であるフランツ氏のこれまでの貢献に感謝を表し、同氏の「上海市名誉市民」受賞を祝福し、次期議長となるスピアバー氏の活躍に期待を寄せました。

なお、第38回上海諮問会議は2026年10月11日に開催予定で、テーマは「上海サービス産業のイノベーションの促進」とされています。龔市長は「国際企業家の持つ広い視野と豊富な経験と、世界のサービス産業発展の有益な知見を参考にすることで、上海のサービス産業の構造改善とレベルアップをさらに推進し、質の高い発展の実現を後押しします」と述べました。

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第37回上海市市長国際企業家諮問会議が行った記者会見(写真・WeChat公式アカウント「上海発布」)

外資系企業にさらなる確実性を

シンガポールの『聯合早報』の記者からの質問に対し、龔市長は「外資系企業は上海の経済・社会発展を支える重要な力です。現在、上海には約8万社の外資企業が存在し、各分野で活発に事業を展開しています。今後、私たちは外資系企業の発展にさらなる確実性を提供し、グローバル競争の中で先機をつかめるよう後押ししていきます」と答えました。

さらに、「需要の喚起に継続的に取り組みます。サービス消費・大口消費・インバウンド消費をさらに拡大し、文化・観光・商業・スポーツ・展示会などの分野の融合をさらに促進します。また、インフラ、科学技術産業、現代サービス業、社会福祉・民生などの分野における重大プロジェクトの建設を加速させます。上海はハイレベルな制度的な対外開放を段階的に拡大し、国際的にハイレベルの経済・貿易ルールに接続し、浦東先導区、自由貿易試験区、臨港新片区(エリア)、虹橋国際オープンハブ、東方ハブ国際商務合作区など、重要エリアの機能レベルをさらに高めていきます」と述べました。

そして、「公正で秩序ある市場競争を全力で維持します。近年、上海は市場化・法治化・国際化の原則に基づいた一流のビジネス環境を整備し、あらゆる企業に対して法律の適用や政策サービスを平等に行い、外資系企業の国民待遇を十分に保障しています」としました。

最後に、龔市長は「私たちの努力によって、上海は過去も現在も、そして将来においても、外資企業にとって最も魅力的な投資先の都市の1つであり、また、多国籍企業がグローバルな産業・サプライチェーンを構築する際の第一選択肢の1つであり続けます」とし、「外資企業の皆さんには、ぜひ自信を持って、安心して投資し、専心して経営し、上海の発展のチャンスを共に分かち合うことを願っております」と呼びかけました。

上海諮問会議メンバー、上海への信頼をさらに確固たるものに

フランツ氏は中央広播電視総台(CCTV)の質問に「上海は常に未来への発展に大きな志を抱いています。この中で、上海は世界をリードするイノベーションセンターを目指し、知識と研究に基づく産業の発展に取り組んできました」とし、「長年の努力により、上海は活力あるエコシステムを築き上げてきました。上海諮問会議メンバーとして、私たちの目的は、対話と交流を通じて、上海の改善の方向を見極め、その道筋を明確にすることです」と述べました。

さらに、「この過程で、各メンバー企業も政府から多くの有益な助言を得ています。それによって、各企業は自らの強みを発揮できる分野をより明確にし、このイノベーション・エコシステムを継続的に改善することができます。今後も、このような実りある対話メカニズムを継続させ、上海のイノベーション・エコシステムを一層強化し、上海が着実に世界のリーディング・シティへと歩を進めるよう力を尽くしたいです」と語りました。

関税問題について問われると、同氏は「関税は多くの多国籍企業にとって挑戦であるが、挑戦を機会に転化させることも可能です。創造的な思考で、革新的な解決策を見いだすことができるでしょう。さらなる開放の取り組みは、上海の国際競争力をさらに高めます。地政学的要因がどのように変化しようとも、上海諮問会議のすべてのメンバーは、上海の発展への信念を一層強くし、より確固として承諾を果たしていくでしょう」と述べました。

上海諮問会議の対話継続への期待

スピアバー氏は鳳凰衛視の記者の質問に対し「上海諮問会議にとって最も注目すべきは、2025年、そして、その後の長期にわたり、いかにして真のイノベーション型経済を構築するかということです」とし、「多くの人はイノベーションを単に技術産業の問題と考えがちですが、実際にはそれはあらゆる産業に関わっています。人工知能を例にとれば、その影響は、生命科学・医療・消費財・製造業・金融サービス・不動産といった伝統的な産業にまで及んでいます」と述べました。

さらに、上海諮問会議の今後の方向性について「多角的な視点から、上海が真に世界トップレベルのイノベーション型経済を築くことを支援する道を探るべきだと思います。それはすなわち、優秀な人材や革新的な企業をいかに惹きつけるかにかかっています」とし、「私たちは、上海諮問会議の対話と交流が継続的に行われ、より多くのメンバーを引き寄せ、より効果的な提言を共に生み出すことで、上海の発展に寄与していくことを望んでいます」と語りました。

出典:WeChat公式アカウント「上海発布」、澎湃新聞

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