「上海モーターショーを見れば、未来が予測できる」 最先端技術とスマートカーの深い融合を展示

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4月23日、第21回上海国際自動車工業展覧会(以下「上海モーターショー」)が国家会議・展示センター(上海)で幕を開けました。4月23日と24日はメディア向けの日となっており、国内外から1万人を超える記者が会場を訪れています。

今回の上海モーターショーには、26の国と地域から約1000社の有名企業が招かれて出展し、展示総面積は36万㎡を超え、過去最大の展示規模・面積を記録しました。この盛況ぶりは、世界中の自動車メーカーが中国市場に戦略的な関心を寄せていることと、上海の強い魅力を示しています。

さらに重要なのは、本展で100種以上の新車が初発表され、150回を超える記者発表会が開催されることです。これにより、上海モーターショーは世界最大規模かつ最高レベルの新車発表・初公開の舞台となり、多くの「初披露」「初登場」が国内の自動車消費を直接的にけん引し、上海が「首発経済(デビューエコノミー)」の拠点としての地位を確立することにも貢献しています。

100を超える新型車が初公開

1985年の初開催以来、上海モーターショーでは毎回、新車の発表が最大のハイライトとなってきました。近年では、世界中の自動車メーカーが新型車を発表し、最先端技術を披露する重要な舞台となっています。主催者の統計によると、モーターショーの最初の2日間だけで100を超える新型車が初発表される予定です。

上海汽車集団、長城汽車、広州汽車集団などの自動車メーカーは、傘下の多数のブランドとともに出展します。また、上海汽車集団は今回のモーターショーで、ファーウェイ(華為)と共同で立ち上げた新ブランド「尚界」を正式に発表し、新たなグローバル戦略を打ち出します。新興EVメーカーである「蔚来」「小鵬」「理想」の3社も、新型車を発表する予定で、いずれも純電動SUV市場に照準を絞っています。

中国ブランドのほか、外資系ブランドもEV車とハイブリッド車の注目の新モデルを多数展示しており、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディなどが注目のEV車モデルを発表する予定です。

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ホンダは開催中の2025年上海モーターショーで記者会見を開催。(写真・VCG)

今回の上海モーターショーに登場する新型車の多くでは、すでにスマート化が標準装備となっています。もし2023年の上海モーターショーで「スマート運転の実用化」が議論されていたとすれば、2025年は、「スマート運転が自動車業界の必然のトレンドである」ことが証明されるでしょう。ガソリン車、新エネルギー車、そして未来のコンセプトカーに至るまで、今年の展示車両は例外なくスマート運転やスマート体験を重要なアピールポイントとしています。

今回初公開される新製品は、低炭素化・スマート化の進展における技術革新の成果をより一層際立たせ、最先端技術とスマートカーの深い融合を体現しています。ある海外のメディアは「上海モーターショーを理解すれば、今後5年間の自動車産業の動向が予測できます」と報じました。

初展示が初店舗の展開を促進

今回の上海モーターショー開幕直前に、BYD傘下の高級ブランド「仰望汽車」の全国最大規模のフラグシップセンター店舗が上海の虹橋にオープンしました。このセンターは仰望ブランド直営の旗艦店で、建築面積は1万㎡を超え、全国の直営店舗の中で、規模・投資額・ブランドポジションのいずれにおいても最高レベルを誇るプロジェクトです。

初展示の成功が初出店を促すという連鎖は、上海モーターショーの圧倒的な波及効果を示しています。「上海は伝統的な高級自動車ブランドの集積地であり、ブランド価値を高めるには上海市場を無視できません」と虹橋の仰望センター店の販売責任者は記者に語りました。この店舗が所在する虹橋鎮の呉中路は、高級車ディーラーが軒を連ねる有名な通りで、近年、呉中路にはハーモニー智行や小鵬などの新興自動車ブランドもこの通りに相次いで出店しています。

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日産自動車はプラグインハイブリッドを搭載した新型ピックアップトラック「Frontier Pro」を2025年上海モーターショーで初公開。(写真・VCG)

多くの人々が上海と聞いて思い浮かべるのは、自動車の「製造業」かもしれませんが、実際には上海は名実ともに「自動車消費都市」でもあります。4月12日に発表された「2024年度上海総合交通発展分析報告書」によれば、2024年に上海で販売された新エネルギー車は27万8300台に達し、累計では164万5000台と、普及規模は世界の都市の中でトップとなっています。

さらに、4月13日には、蔚来が上海の南翔の店舗において、同ブランドが上海で販売した累計10万台目の車両を納車しました。平均販売価格が30万元を超えるブランドにとって、これは大きなマイルストーンであり、上海の消費力の強さを物語っています。近年、蔚来、理想、ジーカーといった新興EVブランドが次々と上海に本部や研究開発センターを設置しています。

上海の強固な経済力、整備されたインフラ、豊富な人材資源、活発なイノベーション環境、上海の開放的な理念と効率的なビジネス環境、そして高い消費能力を備えた市場は、これらの企業が上海に拠点を構える重要な理由となっています。

「首発(デビュー)環境」がさらにアップグレード

上海モーターショーは、世界の自動車産業の動向を示す風向計であると同時に、中国自動車産業の発展の立会人でもあります。上海モーターショー自体も常に進化しており、今回は「首発(デビュー)上海」シリーズのイベントと全面的に融合しています。

3月、上海は「首発上海3.0」政策をアップグレードして打ち出し、制度設計、資金支援、サポート体制などあらゆる面で革新的な措置を講じました。

今回のモーターショーの開催直前には、上海会議・展示センター税関は、展示車両の高額な価値、税保証のプレッシャー、一部の展示品の到着遅延による設営時間の逼迫、複雑な梱包に伴う港での検査の難しさなどを考慮し、「一展示一策」という方式で、企業ごとにカスタマイズされたサービスプランを提供しました。

開催の2日前には、今回のモーターショー最後の輸入展示車両であるホンダのF1レーシングカーが、ATAカルネ方式で税関に申告され、迅速に通関が許可されました。

こうしたデビューや初披露のイベントを通じて、上海の「首発経済(デビューエコノミー)」を支える施策とサービスはますます便利で向上しています。進化し続ける政策措置は、国内外ブランドが上海で新製品を発表する際に、より良質なビジネス環境を提供しています。

デビューや初披露は、自動車産業の最新の成果を示すとともに、新しいライフスタイルや理念へのインスピレーションももたらします。斬新な製品と体験が、消費の新たなトレンドをけん引し、消費市場に活力を注ぎ込んでいます。今回の上海モーターショーの開幕前には、上海市は大型の自動車の下取り政策を改めて発表しました。補助金の対象は、旧車の下取り補助範囲を上海以外のナンバープレートの車にまで拡大されました。また、今回のモーターショーでは初めて会期が「労働節の休暇(メーデー連休)」まで延長されました。こういった好材料により、上海の自動車下取り政策の拡大がモーターショーの消費の活力を最大限に引き出し、国内の自動車消費を継続的にけん引すると市場では予測されています。

出典:解放日報