国家レベルのブロックチェーンネットワーク・上海ハブの構築が加速

(写真・IC)
最近、ブロックチェーンイノベーション応用シナリオ会議で、上海は97社のブロックチェーンの主導企業と連携し、107のブロックチェーンのビジネスシナリオの構築を推進し、これまでに50以上のシナリオがリリースされました。
上海の中央企業と国有企業は、ブロックチェーン応用の主力となっており、既に56社の中央企業と国有企業が約80のシーンの構築を進めています。例えば、東浩蘭生国貿グループは、輸出税還付ブロックチェーンプラットフォームの「智貿鏈通」を構築しました。従来の輸出税還付は手続きが煩雑で、手作業によるミスや人為的な干渉のリスクがあるため、税務部門は還付税の不正を懸念し、審査強化を重ねる一方、輸出企業は還付税決済の周期が長いことにより資金繰りが苦境に陥るという悪循環に陥りがちでした。
ブロックチェーンはこの問題を解決する鍵となりました。「智貿鏈通」は、パートナー企業に合意の上でのブロックチェーン導入を奨励し、税の還付申込に関連する原材料の調達、生産、貿易、物流、輸出通関、税還付の6段階21組のビジネスデータがすべてブロックチェーンに証拠として保存されています。ブロックチェーンの特徴である分散化、改ざん不可能、追跡可能、透明性などに基づき、税務部門はワンクリックでデータにアクセスすることができ、注文の信憑性の審査を大幅に簡素化できるようになりました。その結果、輸出企業の税還付の申請から還付完了までにかかる時間が従来の10分の1に短縮されました。
上海市では、実体経済分野において、「申能」エネルギー貿易チェーン、「上綿数鏈(上海国際綿花取引センターデジタルチェーン)」など、様々なシーンでブロックチェーンが応用され、導入されています。サプライチェーン分野では、「新三種」(電気自動車(EV)、リチウム電池、太陽電池)の安全輸送データサービス、コーヒーの越境ECのトレーサビリティ可能な円滑決済などがあります。民生分野では、新エネルギー車データ信頼預託サービス「沪駕宝」、漢方薬のデリバリーサービス「安心送」、法律分野のブロックチェーン「浦江従法鏈」などがあります。フィンテックとグリーン・低炭素の分野では、電気機器のカーボンフットプリントブロックチェーン、国泰君安(証券株式会社)のカーボン金融管理プラットフォームなどがあります。
ブロックチェーン応用シナリオの構築において、第一の鍵は関係者全員が利益を得られることです。この「利益」とは、時間や管理のコスト、運用の難しさ、あるいはビジネス変革の新しいチャンスなどです。第二の鍵は、「ハイレベルの推進」です。例えば、東浩蘭生国貿グループの「智貿鏈通」は、国税総局とともにシステムの画期的なイノベーションを成し遂げました。業界を主管する当局はブロックチェーン技術を通じて信頼性が確保される企業データを得ることができ、業務の全体的な運行効率を大幅に向上させています。
現在、上海市は中国で最も繁栄しているブロックチェーン産業エコロジーの都市として認識され、多くのブロックチェーン企業が上海に引き寄せられています。上海市は現在、国家レベルのブロックチェーンネットワークの上海ハブの構築を加速させており、中国市場でより多くのリーディングカンパニーを抱えているという利点を活かし、今年はサプライチェーン、海上輸送貿易などのシナリオに重点を置き、上海の「声」を中国、さらには世界に発信することを目指しています。
出典:解放日報