払込外資の成長率が引き続き好調 「虹口は外資をよく分かっている」
虹口区にはこのほど、市級の多国籍企業地域本部として、商船三井(中国)有限公司が新たに設立されました。これは株式会社商船三井が上海に設立した東アジア地域本部です。

虹口区の夜景(写真・WeChat公式アカウント「上海商務」)
2024年、虹口区の払込外資は前年同期比35.76%増加し、成長率は全市1位となりました。今年1~2月、虹口区の払込外資は前年同期比22.5%増加しました。
現在、虹口区には外資企業が約2000社集積しており、75カ国・地域に及んでおり、地域経済への貢献度は約1/4に達しています。昨年は100社の重点外資企業を新たに導入し、20社の本部が新たに設立されました。虹口区は外資企業にとって非常に魅力的な投資先の一つとなっています。
虹口区はなぜ払込外資の成長率が引き続き好調に推移しているのでしょうか。これは上海全体のハイレベルな対外開放の戦略的配置によるものであり、また虹口区のビジネス環境の最適化や政策の的確な支援、産業エコシステムの構築などの革新的実践のためであり、さらに、国内外の文化融合の結果もその理由の一つです。
ハードパワー:立地優位性と産業集積
黄浦江と蘇州河が合流する一等地の立地優位性を頼りに、北外灘は近年、金融・水運・科学技術などの産業が集積するエネルギーレベルの高い本部経済の構築に拍車をかけています。ハイエンドビジネス向けの受け皿が大量に現れたことが、虹口区が外資を引き寄せる「ハードパワー」となっています。
関連計画によると、北外灘の建築物の総面積は約840万平方メートルで、これから180メートル以上の超高層ビル18棟がそびえ立つ計画です。2017年、第1陣のテナントが上海白玉蘭広場に入居しました。2020年以降、北外灘地域には北外灘ラッフルズやAIAセントラルなど多くのハイエンドオフィスビルが続々と出現しました。
クラフト・ハインツのアジア地域政府業務部門副社長兼最高法務責任者の陸芸凡氏は、「早くも2020年に、我々は虹口区が北外灘スーパー本部基地を積極的に建設し、世界クラスの応接間の建設に全力を挙げ、北外灘の露出度を向上させ続けていることに留意しました。これは私たちの虹口区に拠点を設立する決定を加速させました」と述べました。
クラフト・ハインツは、米国に本社を置く世界をリードする食品・飲料企業の一つです。2020年、クラフト・ハインツはアジア地域本部をシンガポールから上海に移転し、2021年に正式に虹口区に設立し、虹口区初の多国籍企業のアジア地域本部企業となり、2022年には上海市商務委員会から多国籍企業地域本部(アジア地域)に認定されました。
特に、「誘致・導入」するために、虹口区は積極的に「海外進出」を行い、それぞれの進出国の特徴に合わせた指向性ある誘致モデルを採用し、外資の導入先を開拓し、外資の利用レベルを向上させ、顕著な成果を成し遂げました。
データによると、虹口区は2024年以降、国内外の各種外商投資促進イベントを計94回開催しました。カナダのマニュライフ、アラブ首長国連邦のボルージュ(Borouge)などの外資系リーディングカンパニーだけでなく、ドイツ社・HORAの完全子会社である霍爾特バルブなどの隠れたチャンピオン企業、高成長型企業と大手企業も誘致しました。
北外灘は現在、上海市第一陣の自由貿易連動イノベーションエリア、上海市第一陣のエクイティ投資集積エリアとなっています。虹口区は外資系企業のエコシステムを構築することで、「誘致-育成-高度化」の好循環を形成しています。
ソフト環境:政策革新とサービスのアップグレード
2022年、虹口区は全市で率先して区級の多国籍企業地域本部政策を打ち出しました。この政策は市級の多国籍企業地域本部の「貯水池」の機能を果たし、企業に利益をもたらすと同時に、企業の更なる発展を後押ししています。
虹口区商務委員会の関係責任者によると、虹口区級の多国籍企業本部政策が発表されて以来、現在は16社の本部企業が市級の多国籍企業本部に格上げされています。
クラフト・ハインツがその一つです。陸芸凡氏は、「ここ数年、政府機能が『政策審査に重点を置く』から『政策サービスに重点を置く』へと移っていることが感じられますので、安心して上海で発展することができます」と述べました。陸氏によると、同社の法人代表者は外国人で、常に海外にいるため、会社が税務登記や税務登録などの事項を処理するのに非常に不便でした。虹口区の関連部門は状況を把握した後、「ワンストップサービス」を手配しました。法人代表者が上海に到着した後、市場監督管理部門で一度にすべての手続きを完了しました。
虹口区は昨年、「外資本部の質向上・能力向上3カ年行動計画」などの特別政策を打ち出し、区の指導者が主導し、区の外商投資活動合同会議を複数回開催し、職能部門・誘致機関・地元の街道など36の機関が合同会議のメンバー機関となり、共に渉外サービスの円滑な「ラストワンマイル」を実現しました。
虹口区が今年発表したビジネス環境8.0版行動計画では、「渉外サービス」に関わるのは3項目です。中には、ハイレベルな対外開放を引き続き拡大し、開放されたハブポータルとグローバル資源配置機能をさらに強化すること、より広範な国際交流協力プラットフォームを構築し、企業の海外市場開拓を支援することが含まれています。
新フィールド:人材エコシステムと文化的連携
人材は外資企業発展の核心的資源です。
虹口区は「国際トップレベル人材誘致3カ年行動計画(2024~2026)」を打ち出し、人材定住・住宅補助金・学校と企業の協力などの政策を通じて世界中の人材を誘致しているだけでなく、上海市で初めて「海外人材ステーション」を創設し、今年は「国内外の優秀インターン学生」と「認定されたハイレベル人材」の2種類の人材に対する支援などの措置を追加しました。
企業に覚えられたのは以下の心温まる細やかなことです。2023年、クラフト・ハインツのフレッドアジア地域プレジデントが上海市の「白玉蘭記念賞」を申請した際に、虹口区外務弁公室は申請指導を提供しただけでなく、動画資料を制作して成功率を高めるよう提案し、最終的に初申請で受賞することをサポートしました。
2024年、虹口区人材発展サービスセンターが架け橋となり、クラフト・ハインツは初めて復旦大学で採用活動を展開し、トップレベルの大学との協力を始めました。今年、虹口区人材工作局の協力により、クラフト・ハインツに勤める国内外の新卒が「人材ステーション」政策を利用して住宅補助金を申請しています。
中国と外国の文化が融合した虹口の奥深い文化的蓄積も、外資にとって非常に魅力的です。
虹口区の企業誘致を担当する幹部は、虹口区はフランスや日本などの国と歴史的にかかわっており、一部の関係国の企業に親近感を与えているため、誘致の際には魯迅内山記念書局、精武体育総会などの場所に案内して見学してもらっているとしました。
また、虹口区外商投資企業協会は商会・協会、専門機関と協力し、外資円卓会議、業界フォーラムなどのイベントを定期的に開催し、企業間の資源マッチングを促進しています。今年の新春懇親会では、虹口区の指導者や関連部門の責任者、そして40社余りの外資企業の代表者が出席して交流しました。イベントは今潮8弄で行われ、バンドのパフォーマンスやゲームコーナーがありました。
デュッセルドルフ展覧(上海)有限公司シニアマーケティングコミュニケーション&PRマネージャーの応悦氏は、「政府主催のイベントが人脈を広げられるだけでなく、こんなにトレンディーで、クリエイティブになるとは思っていませんでした。今後も必ず参加します。虹口区は確かに外資系企業をよく理解していると改めて信じるようになりました」と述べました。
出典:解放日報