上海検察機関、法治化されたビジネス環境の構築を保障する行動計画を発表

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上海検察機関はこのほど、「上海市検察機関の法治化されたビジネス環境確保の行動計画」(以下、「行動計画」という)を発表し、経営主体の権利保護、市場秩序の法治的保障、ビジネス環境の雰囲気醸成、検察機関の職責履行へのエンパワーメントの高度化という4つの面から、17条59項目の具体的任務を明確にし、検察による法治化されたビジネス環境のレベル向上確保を全面的に後押ししています。

「行動計画」は経営主体の「新設-発展-撤退」のチェーン全体に着目し、「法に基づき市場参入と撤退の秩序を保障し、調和的でウィンウィンを目指した労働関係の構築を支援し、税収保障の法治的基礎を協力して固め、多元的で便利な商事紛争解決体系を協同して整備する」という4つの面から権利保護を着実に行います。

市場参入と撤退の秩序を法に基づき保障する面で、市場参入などの段階における職務犯罪、経済犯罪行為を法に基づき取り締まり、犯罪産業チェーンにおける「ダミー会社」に対する取り締まり・ガバナンスを強化し、特定分野の不正競争の公益訴訟の展開を模索し、地域間・業界間の市場参入における見えない障壁を取り除くことに力を入れます。同時に、職業的な賃金詐欺、賃金未払いなどの違法行為を厳しく取り締まり、新しい就業形態の労働権利保護分野における公益訴訟の展開を模索します。法に基づき税収関連の犯罪・違法行為を処罰し、常態化した税収関連の違法犯罪取締業務メカニズムを実施し、税収関連刑罰の双方向連携メカニズムを健全化し、法に基づいた違法犯罪処罰の法執行と司法の連携を強化します。

また、検察機関は調停、仲裁、訴訟、執行を秩序正しく連携させる紛争解決の枠組みに積極的に溶け込み、新時代の「楓橋経験」を踏み込んで実践し、「五有」作業法(すべての事件に質と効果があり、常にルートがあり、すべての事件に応答があり、すべての問題に措置があり、すべての処理に温もりがある)という理念により商事企業関連紛争の適時対応、その場での解決、実質的解消を推進し、多様で便利な商事紛争解決体系をさらに整備していきます。

「行動計画」は公平・公正を核心とし、処罰・予防・監督・保護・ガバナンスの協同連動を強化し、公平な競争のできる市場秩序の維持・金融の安全な発展の促進・イノベーション発信機能の活性化・清らかなネットワーク環境の構築及びハイレベルな対外貿易へのサービスにおいてより優れた検察の力を発揮します。

まず、商業賄賂、入札談合などの競争を破壊する違法犯罪行為を厳罰に処し、利益をむさぼる職業的な告発を協同して管理し、独占禁止と不正競争防止に関する公益訴訟を模索し、公平で効率的な市場競争秩序の形成を後押しします。また、金融リスクの予防・抑制を強化し、マネーロンダリング・不正な資金調達などの行為を厳しく取り締まり、金融犯罪と金融イノベーションを正確に判別し、当市の金融行政司法協同ガバナンスメカニズムを深化させ、多層的な金融リスク防止システムを構築します。

知的財産権の保護について、検察機関は重点分野、肝心な部分の知的財産権侵害行為及び重複侵害行為に対する取り締まりを強化し、悪意訴訟に対する監督を深化させ、営業秘密にかかわる事件の格上げ管轄をさらに着実に実施し、新たな質の生産力の法治エンジンを活性化させます。

「行動計画」はビジネス環境に影響を与える際立った問題に焦点を当て、検察・事件処理、監督、政策、サービス、宣伝・普及が相互促進・相互融合する保障構造を構築することで、法執行・司法活動の公正・効率性を後押しし、「親清守法(正直かつ清廉で法を遵守する)」としたビジネス環境の雰囲気構築を推進します。

上海の検察機関は法に基づいた公平な保護を堅持し、収賄・贈賄の同時調査を堅持し、企業関連の法執行の規範化特別行動に積極的に参加し、企業の合法的権益を侵害する行為に対しては、断固たる措置で是正することに取り組んでいます。同時に、科学技術革新パークの「法治副園長」制度の構築を深化させ、産業パークや経営の第一線に深く入り込んで「ワンストップ」司法サービスを提供します。法律リスクの集積分野に対して、検察機関は速やかに白書または関連する法律ガイドラインを発表し、企業関連事件の上訴ルートをスムーズにし、検察サービスのオンラインプラットフォームを最適化し、「検察官の企業訪問」や「検察官のパーク訪問」などの業務を常態化し、企業関連訴求の「オンライン+オフライン」の複線対応を実現します。

「行動計画」は自身の質の高い発展の要求に立脚し、渉外法治保障の最適化を切り口とし、デジタルエンパワーメントを手がかりとし、ブランドマトリックスの構築を重点とし、対外交流、デジタルトランスフォーメーション、地域戦略の責任と使命をよりよく担い、ビジネス環境の整備がより大きなプラットフォームとより高いレベルで向上するよう後押しします。

渉外検察分野において、渉外事件の案件処理モデルと業務メカニズムをさらに整備し、渉外検察の理論研究と世界銀行の「ビジネス環境の現状(Doing Business)」などの実務対策研究を深く展開し、渉外検察人材の育成を強化し、ハイレベルな開放によりよくサービスします。デジタル検察分野において、デジタル技術に依拠して企業関連事件の全ライフサイクルの監督体系を構築し、検察サービスの「一網通弁」と検察サービスを引き続き最適化します。また、自由貿易区、虹橋国際中央ビジネス区、G60科学技術イノベーション回廊の構築などの戦略的大局に焦点を当て、「一区一品」検察ブランドマトリックスの構築に力を入れます。長江デルタ4地域の検察機関の牽引役として法治化されたビジネス環境の最適化のための「1+4」検察協同プランを細分化・実行し、長江デルタ地域の検察協力をさらに深化・推進します。

出典:上海市人民検察院