上海初の外資系企業の「許可証一枚のマルチアドレス区間届出」が実現
上海のスカイライン(写真・IC)
長年上海で不動産賃貸に携わっている外資企業の三普貿易は今年、浦東新区や長寧区などの地域に支店を設立する計画で、申請を提出したところ、経営場所を本社の営業許可証の下に登録すれば良いと言われました。
ビジネス環境を最適化するこの新たな措置は、「許可証一枚のマルチアドレス区間届出」と呼ばれます。三普貿易は3月7日に届出情報を提出し、同日に浦東新区、長寧区などにある経営場所の届出を一括的に完了し、上海で初めて新しい措置を利用した外資企業となりました。
企業が上海市内で行政許可を必要としない経営場所の設置・経営事業を展開する場合、登録地の登記機関に全市におけるすべての経営場所について経営場所届出を申請することで、「資料1式で、1度申請するだけで全域で通用する」仕組みを実現できます。これにより、企業は奔走することなく手続きを進め、できるだけ早く営業活動を展開することができます。
「許可証一枚のマルチアドレス」サービスの取り組みは複雑ではないように見えるが、なぜ企業は最近になってはじめて新措置を利用することができたのでしょうか。
これに対し、徐匯区市場監督管理局の毛潔副局長は、「理念の転換、法律の支持、この2つの必要条件はどちらも欠かせません。従来、経営主体と経営場所は深く結びついており、新しい場所で事業を展開するなら、必ず新しい経営場所を決め、経営登録を行う必要があります。これはすでに定着したプロセスとなっています」と述べました。営業許可証がなければ、顧客の信頼を得ることが難しいです。
しかしここ数年、市場監督管理部門は踏み込んだ調査研究の中で、従来の経営主体や業態、理念が変化しつつあることを深く感じています。ますます多くの起業者や経営者が「身軽になって出陣」し、「広く網を投げる」モデルを選択しています。つまり、軽量でフラットな組織構造でより多くの市場を開拓しています。
「どこで商売をすればその場所で会社を開く」という観念はとっくに時代遅れです。良いビジネス環境とサービスは、経営者と同じペースにし、時代とともに進歩しなければなりません。
昨年11月から施行された「上海市ビジネス環境最適化条例」は法律面からビジネスサービスに便宜を図るための「青信号」を与えました。上海で登記された経営主体は、市場監督管理部門に経営主体登記届出手続きを行うことなく、登記住所以外で経営活動を展開することができ、企業は経営場所追加の届出を行う必要がある場合、元の登記を受理した市場監督管理部門に手続き申請を行うことができます。
これを踏まえ、上海市市場監督管理局は今年2月、市場参入登記利便化措置10箇条を打ち出しました。うち、登記住所以外の場所で、経営範囲と一致し、かつ行政許可を必要としない経営活動を展開する企業について、その支店の営業許可証を別途申請するか、または「許可証一枚のマルチアドレス」経営場所の届出を行うかを自主的に選択することができるとしています。
出典:解放日報