「五つのセンター」が連動して発展、上海国際海運センターの全面的な高度化を推進

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今年の政府活動報告では、ハイレベルな対外開放を拡大する積極的なシグナルが発されました。海運は、世界にアクセスし、世界をつないでいます。上海の国際海運センターの建設は、長江デルタ一体化の質の高い発展を影響するだけでなく、いかに国際競争力を高め、より多くの海外進出企業が道を開き、チェーンを形成し、ネットワークを構築するための条件を整えるかにかかわっています。

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上海港の自動化コンテナ埠頭(写真・IC)

2024年、上海港のコンテナ取扱量は5150万6000TEUに達し、15年連続で世界一位を占めており、世界初の年間取扱量が5000万TEUを超える世界的大型港となりました。「一位」に躍進した後、成長の底力はどこから来るのでしょう。現在、上海国際海運センターの建設は基本的な完成から全面的な躍進への肝心な段階に入っています。「国際海運センターのエネルギーレベルの向上」を焦点とし、上海代表団は以下のような提案を提出する計画です。上海の「五つのセンター」建設と連動した発展の新たな枠組みの形成を加速し、海運におけるハイエンドサービス業を積極的に発展させ、上海国際海運センターの全方位的な質向上と高度化を実現し、規模の拡大とソフトパワーの向上を図ります。

インフラ施設の建設に拍車をかけ、資源配置能力を向上

全国人民代表大会代表で、26年間海運業界に従事してきたコスコシッピング船員管理有限公司上海支社の倪迪貯油施設船長は、上海港が歩一歩と国際的な強い港になるのを見届けてきました。膨大な貨物取扱量は、巨大な資源とデータの集約をもたらしており、これらはまさに海運のハイエンドサービス業を発展させる「基盤」です。

激しい国際競争の中で、上海は一時的に先頭に立っているが、倪迪船長は依然として「この先には参考になるモデルはもうなく、未来の発展には自主的な革新が必要だ」という緊迫感を抱いています。

彼はコンテナ一つ一つの流通効率に注目し始めました。現在、上海港のコンテナの接岸から離岸までの埠頭利用率は80%を超え、世界で一般的な水準である50~70%をはるかに上回っています。デジタル港の建設のおかげで、多くの自動化設備が効率的に稼働し、港湾埠頭の価値を最大限に活かしています。しかし、デジタル港建設の新たな成果に喜ぶと同時に、深海港の埠頭がますます手が回らなくなるという憂いも見いだしてしまいました。洋山港を例にとると、現在15万トン級の船舶は潮待ちが要らずに直接接岸することができます。しかし、船舶の大型化が発展しつつある現在、将来的には多くの15万トン級以上の大型船舶が接岸する可能性があります。全ての大型船舶に潮待ちが必要なら、船舶の回転率が大幅に低下することに間違いありません。

新たな情勢と要求に直面し、倪迪船長は、長江デルタを影響している上海港はインフラ施設の建設にさらに拍車をかけ、深海港岸線の資源配置能力を高めるべきだと呼びかけました。

「五つのセンター」建設の連動発展

世界中の資源をよりよく連結し、配置するため、「五つのセンター」建設は必ず連動して発展しなければなりません。

全国両会の一部の金融分野の代表が海運金融に高い関心を寄せているように、荷動き、旅客フロー、データフローの流動と集積を加速させ、金融商品の開発を加速させることで、上海国際海運センターの建設で蓄積した「スケール」が世界市場における「ソフトパワー」への転化を加速させるのを後押しすることができます。

「個別の機能から見ると、『五つのセンター』の建設はすでに世界のトップレベルに位置しており、今後もより高水準で引き続き推進し、連動発展を強化しなければなりません」。全国人民代表大会代表、上海建工集団股份有限公司党委員会書記、代表取締役の杭迎偉氏は、「五つのセンター」建設は政策連動を強化し、中央と地方の連携、センター間の協力、動的評価メカニズムなどをさらに深化させ、「五つのセンター」を支えるトップダウン設計、制度供給、政策方向の一貫性を保障し、分野間の障壁を打破し、資本、技術、データ、人材の要素の配置を最適化し、革新的生産、流通、サービスの全チェーンの循環を推進し、ハブとしての機能を明らかにしなければならないと述べました。

杭迎偉氏はさらに、「五つのセンター」の建設は専門サービス業などのソフトパワーにおいてもまだ向上の余地があると指摘しました。特に世界産業の再構築加速や、デジタル経済の盛んな発展につれ、専門サービス業はますます世界での都市建設のコアコンピタンスとなっています。各センターの建設のクロス領域をめぐり、ハイエンドサービス業の発展に力を入れ、各センターの建設の相乗効果をよりよく発揮するべきだと提案しました。

国際海運センターの建設を例にとると、海運保険、海事、海運仲裁などの分野における資源配置能力を引き続き向上させ、ハイエンド海運サービスの自主供給能力と牽引・影響能力を強化し、海運産業チェーン間の相互作用と統合をさらに強化し、より整った海運サービスエコシステムを構築します。

出典:上観新聞、文匯報