上海市政府外事弁公室は全市の資源を統合、ビジネス環境の改善に注力

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世界に深く溶け込んでいるグローバル都市として、上海の発展は常に上海に進出した外資系企業や世界の友人たちの全力の支援なしには成り立ちません。現在、上海は全市の外国関連資源を統合し、上海にある外資企業や外国人たちが最も関心を持ち、最も現実的な問題に積極的に対応し、さらに優れたビジネス環境と快適な労働環境の提供に取り組んでいます。

国内外の情報ギャップを効果的に縮小

多国籍企業本部、特に本部のトップは上海をどう見ているかは、企業の中国での発展にとって極めて重要なことです。しかし、現実的には、複雑な国際環境の中で、企業本部は必ずしも真実で正確な情報を受け取ることができず、それが上海市場に関する企業の判断に直接影響を与えています。

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上海市ビジネス環境改善行動計画バージョン8.0の日本語版図解も上海国際サービスポータルで公開された。

上海市ビジネス環境改善行動計画バージョン8.0の英語版図解は2月5日午前、上海国際サービスポータルで公開されました。フランスのシュナイダーエレクトリックのコーポレートアフェアーズディレクターの郁芳氏は、すぐにその情報を本社に転送しました。上海市は昨年から、ビジネス環境改善のための行動計画の英語版を作成し始めました。「本部は上海の政策変更を非常に注目しています。これまでは、社内翻訳に頼っていたため、どうしても誤解が生じてしまいましたが、公式バージョンがあることで、情報を迅速かつ正確に伝えることができるようになりました。」

現在、上海国際サービスポータルの「ビジネス」セッションには、60のサービスガイド、280の政策解説があり、産業発展、国際貿易、金融サービス、科学技術イノベーションなどに及んでおります。また、国内外のソーシャルメディアプラットフォームにも発信しています。もちろん、十分な対外関連情報の提供、一方的な英語ガイド、投資プロモーションだけではまだ足りません。外資企業が最も懸念し、最も対処が難しい問題にも向き合わなければなりません。

事前に外資企業のニーズを把握することにより、市政府外事弁公室は今年から、市発展・改革委員会など複数の機関と連携して、「バイオ医薬段階別パイロット生産拠点」「沿海ピギーバック業務範囲拡大・期間延長」などのテーマについて、外資企業と交流を行う予定です。また、外資企業の個性化されたニーズに対して、企業幹部を招き、小範囲座談会、朝食会など非公開的で自由に発言できる形で交流し、政府と企業間の定期的かつ体系的なコミュニケーション形式を充実させます。

昨年、政府企業サロンでデータ越境流通特別イベントが開催され、関係当局が招かれて状況を紹介しました。外資企業は積極的に申し込み、会場は満席でした。関連情報は外国企業の海外本部にも伝えられ、疑問や不明の速やかな解決に役立ちました。

仕事と生活の「小さな行き詰まり」を解決

上海は、ビジネス環境改善行動計画バージョン8.0の中には、外国人が上海での仕事や生活において直面する難点や行き詰まりの解決に力を入れることが盛り込まれ、利便性向上措置が打ち出されました。

イタリア出身で上海に来たばかりのマタイロ氏は、ヨーロッパ企業の上海常駐スタッフで、昨年末に浦東空港から入境しました。彼は空港の「外国人向けワンストップ総合サービスセンター」でモバイル決済機能の開通手続きを済ませ、上海国際サービスポータルで手続きガイドを検索しました。同氏は生活の便利さに感嘆しながら、英語版の生活関連アプリがもっと増えることや、さらに母国語のバージョンができることを期待していると述べました。

企業の体験を向上させるためには、人々の体験を向上させるのが大きなポイントです。今年、上海国際サービスポータルは英語、日本語、韓国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語などの9言語に加わり、イタリア語版をローンチし、さらに多言語対応が進みます。同時に、オンラインでのコミュニケーションチャネルも拡大し、メール、12345ホットライン、海外ソーシャルメディアアカウント、WeChat公式アカウントなどを通じて、外国人のための「質問できる、必ず答える」体制を整えていきます。

昨年、上海が主に外国人の仕事や生活における「基本的な」問題の解決に取り組んだが、今年はさらに「マイクロ行き詰まり」を解決し、外国人の体験を向上させる必要があります。「利便性向上措置は単なる英語への翻訳ではなく、オンラインとオフラインを統合し、食事注文、宅配、エンターテイメント、ショッピングなどを含むさまざまな場面における全体的な利便性を向上させ、より多くの外国人に上海のデジタル経済の魅力を感じてもらうことです」と、市政府外事弁公室のスタッフは述べました。

また、今年、上海は虹橋空港と浦東空港の「外国人向けワンストップ総合サービスセンター」の機能をさらに最適化し、より多くの実用的な機能を導入予定です。「外国人のための上海ワンストップガイド」もさらに改善され、国際医療、ホテル宿泊、子ども教育などの内容が追加される予定です。

マタイロ氏は、上海での仕事や生活をソーシャルメディアにシェアし、「企業が上海で素晴らしい発展を遂げると信じています。ここで見たことをヨーロッパの同僚に伝えたいと思っています」と表明しました。

外資企業の提案に耳を傾け、政策の突破口を模索

ビジネス環境の改善には、世界中の知恵を集め、さまざまな意見を取り入れることが必要です。昨年、上海市市長国際企業家諮詢会議(市諮会)に参加したAPモラー・マースクグループの取締役会長ウグラ氏は特に喜んだようです。同氏が以前に上海に提案した「沿海ピギーバック」業務の試行が成功したからです。

さらに、ロシュグループは医療サービスの価格体系の最適化を提案し、ノバルティスグループは革新的な治療法の臨床応用を上海で先に試行することを提案しました……上海は外資企業の提案を聞き、政策の突破口を模索し、政府と企業の協力を通じて医薬産業の質の高い発展を推進しています。

「これは互に利益をもたらす歩み寄りです」と、アーンスト・アンド・ヤング(EY)アジア太平洋地域人力資源のマネージングパートナーの黄文氏は述べました。上海は外資企業の提案を積極的に取り入れてビジネス環境を改善しており、その結果、より良いビジネス環境が外資企業の信頼を高めています。これらの企業は、上海を世界中で紹介し、上海を支援するだけでなく、実際の行動で上海を支えていますと同氏は示しました。

統計によると、市諮会のメンバー企業は上海で10以上の新たな投資プロジェクトを計画しており、投資総額は約300億元に達する見込みです。さらに重要なのは、これらの企業が投資プロジェクトのために海外からの資金調達を試みることになり、より多くの金融機関や資産運用基金が上海に進出することにつながります。

出典:解放日報