上海港の自動化コンテナ埠頭（写真・IC）

2024年、上海は「上海口岸2024年越境貿易円滑化促進特別行動の若干措置」を発表し、34項目の改革措置を打ち出しました。措置が発行された後、各部門は積極的に行動し、関連措置の実施を共同で推進し、上海市の越境貿易ビジネス環境のさらなる最適化を促進しました。

１　輸出入チェーン全体における貨物通関効率のさらなる向上

• 検疫審査承認の効率性の向上

　条件を満たす輸入食品は到着後すぐに承認され、平均処理時間は70％短縮されます。条件を満たす動植物およびその製品に対しては自動検疫承認を実施し、企業申請から許可証発行までのプロセスは3分以内に完了します。

• 生鮮農産物の通関効率の向上

　浦東空港税関に航空輸送の生鮮農産物通関に向けた「グリーンルート」を開設し、24時間年中無休体制の予約通関を実施します。

• 企業の差別化経営モデルの最適化

　AEO企業を優先的に遠隔所属地域検査の試行改革の範囲に組み入れ、現地検査の回数を最低限に抑えます。AEO企業の特殊品目の平均検疫検査抽出比率と監督比率を引き下げます。

• 長江デルタ地域の物流効率の向上

　江蘇省、浙江省、安徽省、江西省の太倉港、安吉港、蕪湖港、九江港など12の港の「連動積卸」事業の効率的かつ円滑な運営を推進します。

２　対外貿易の新たな原動力となる産業の貿易円滑化のさらなる改善・促進

• 越境電子商取引支援サービス能力の向上

　青浦総合保税区と浦東空港の協力を促進し、越境電子商取引の区・港湾連携の新しいモデルを構築し、越境電子商取引1210輸出の大規模な運営を実現します。

• バイオ医薬品企業（研究開発機関）の輸入研究開発用品の「ホワイトリスト」の試行

　試行範囲をさらに拡大し、輸入バイオ医薬研究開発用品の「ホワイトリスト」の第6陣と第7陣を発表します。「ホワイトリスト」に載っている品目の輸入に「輸入医薬品通関」は不要となります。

• 特殊物品の出国に関する共同監督管理メカニズムの継続的な最適化

　試行範囲を上海全域に拡大し、試行対象の範囲は入国から出国まで拡大します。18社の企業はすでに試行範囲に含まれています。

• 自動車研究開発・試験用中古重要部品の輸入試行を秩序よく推進

　「上海市自動車研究開発・試験用中古重要部品の輸入試行方案」を発表し、自動車研究開発・試験用の中古重要部品の輸入の「試行リスト」制度を確立し、「試行リスト」の第1陣を発表します。

• 上海の越境電子商取引の質の高い発展の促進

　越境電子商取引特別監督管理エリアにおける小包小売輸出と海上輸送9610輸出業務の試行を積極的に促進し、試行注文を順調に完了します。

• 国際中継・混載輸送業務の発展への支援

　混載輸出貨物を事前に国際中継・混載倉庫に入庫させることを試行し、国際中継・混載の複数の業務の同一拠点での実施を実現し、上海港の国際中継・混載ハブの機能をさらに強化します。中継・混載輸送のスマート監督制御プラットフォームを構築し、「デジタル税関ロック+可視化スマート設備」を使用して厳密な途中監督管理を行い、中継・混載貨物の24時間年中無休の迅速な積み替えを実現します。

３　サービス貿易と貨物貿易の統合発展へのさらなる支援

• 越境貿易金融サービスの最適化

　上海国際貿易「シングルウィンドウ（単一窓口）」の信用保険機能を最適化します。現在、上海国際貿易「シングルウィンドウ」は中国初の保険加入、保険金支払い、融資、信用評価、政策決済という5つの機能を統合した専門的な信用保険サービスプラットフォーム、初の信用保険、融資、税金還付という３つの利便化手段を統合した信用保険サービスプラットフォームとなっています。上海国際貿易「シングルウィンドウ」に、10種類以上のデジタル融資製品を導入し、輸出貿易、輸入貿易、航運運賃、金融包摂など、さまざまな対外貿易融資ニーズをカバーしています。

• 中欧班列の質と量の持続的な向上

　上海市の中欧班列（中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車）運行本数と運行頻度を増やします。現在、同列車の路線は中国―欧州線、中国―ロシア線、中国―中央アジア線の3つの主要路線をカバーし、ドイツ、ポーランド、ロシアを含む12カ国の120以上の駅を結んでいます。

４　口岸（通関地）の情報化・スマート化のレベルのさらなる向上

• 関連する証明書のデジタル共有とオンライン検証の推進

　電子ネットワーク化が実施されているRCEPの下でのニュージーランドの原産地証明書に向け、原産地情報の電子交換を実現します。

• 輸入コンテナ貨物引き渡しプラットフォームの活用の積極的な普及

　船会社や港湾企業などが、より広範囲でブロックチェーン技術に基づいたペーパーレス貨物引き渡しを推進することを奨励します。2024年、上海港のブロックチェーンデジタル貨物引き渡しプラットフォームは46万5600件の船荷証券を処理し、約141万4200標準コンテナ（TEU）に相当し、総貨物引き渡しの38.4%を占めました。

• 空港貨物輸送のインテリジェント化の推進

　上海国際貿易「シングルウィンドウ」航空物流公共情報プラットフォームをさらに改善し、「航空機到着―貨物引渡し」などの10の段階のデータアクセスを実現し、貨物引換証データの完全なカバーを実現します。

　航空輸入貨物のオンライン予約検査機能を開始し、企業が「シングルウィンドウ」航空物流公共情報プラットフォームを通じて、予約検査申請のオンライン提出とオンライン確認することが可能です。

• 中国・シンガポール「シングルウィンドウ」相互接続連盟チェーンの試行の推進

　シンガポールと協力して、二国間および多国間の越境通関サービスの応用シナリオを試行し、「一回申告、二国間通関」の「ワンストップ越境通関」ソリューションを形成し、シンガポールとのリアルワールドの注文テストを完成させます。

• スマート港湾建設の持続的な推進

　スマート港湾技術とシステム統合能力を向上させ、洋山第4期における自動検査の量をさらに増やし、企業の通関時間を短縮します。港湾内における新型自律インテリジェント走行車（AIV）のテストと応用を加速させ、スマート港湾運営のモデルを作ります。

５　輸出入における税金・費用のさらなる規範・削減

• 「海運口岸料金の整理・規範化のための行動方案」の実施の持続的な推進

　輸出入段階での料金の監督・検査を引き続き強化し、上海市2024年口岸特別料金検査を実施します。法に基づき、政府の定価や政府の指導価格に従わない、規定に従って明確的に価格を表示しない、価格詐欺、優遇政策を実施しないなどの違法・不正な料金徴収行為に対して、法に基づき取り締まります。運賃の申告制度を厳格に実施し、上海口岸の国際定期船輸送および非船舶運航一般運送業者（NVOCC）に対する運賃申告制度の実施状況の検査を継続的に実施します。

• 輸出入の各段階の課金のさらなる規範化

　上海国際貿易「シングルウィンドウ」を活用し、上海口岸における主要船会社の対外貿易コンテナのターミナル・ハンドリング・チャージ（THC）と書類手数料のワンストップ公開を開始します。現在、22社の主要船会社をカバーしています。

６　企業と公衆の獲得感と満足度のさらなる向上

• 国際貿易情報ポータルの改善

　上海国際貿易「シングルウィンドウ」と上海市商務委員会ポータルサイトで、政策法規コーラムを開設し、国際貿易分野の関連法律や規制などの規範文書を統合して発表し、各種類の貿易手続きのガイドなど関連情報を提供し、統合された「国際貿易」情報ポータルを構築します。

• 輸入衣料品の采信制度の持続的な推進

　税関の采信（信用性確認・承認）管理情報システムを開発し、最初として衣料品向けの采信機能を提供します。これにより、「一度検査、複数使用、全国通用」が実現されます。

• 高級認証企業向けの便利政策の提供の強化

　中国で初めてAEO企業の質の高い発展を支援するための省レベル文書である「上海市が市内の税関高級認証企業の質の高い発展を支援する取り組みをさらに強化するための若干措置」を発表し、25の部門間協力によるインセンティブ措置を導入し、税関と地方の協力、市・区の連携を強化し、AEO企業の育成とサービスを推進します。AEO認証指導センターの構築を強化します。現在の4つのAEO政策コンサルティングサービスステーションが企業にワンストップのコンサルティングサービスを提供しています。

• AEO企業育成に向けた取り組みの強化

　産業チェーンとサプライチェーンのリーディングカンパニー、輸出入総額または納税総額が大きい企業、および「専精特新」（専門化・精密化・特徴化・新規性）企業に対する信用育成を強化し、税関エリア信用育成重点企業37社を特定しました。現在、上海税関エリアには558のAEO企業があります。

• 政府と企業間のコミュニケーションチャネルの健全化

　2024年港湾空港協議メカニズム会議を開催し、航運会社、貨物運送業者、通関業者、荷主企業等の利害関係者の意見を十分聴取します。貿易促進機関や業界団体の役割を発揮し、企業に利益をもたらす政策の宣伝と研修を強化し、企業からの意見や提案を定期的に収集し、企業が直面する困難や問題の解決を促進します。

※なお、本文書は、中文で作成され、日本語に翻訳されます。中文版が正本であり、日本語版は参考として作成されます。これら両言語版の間に矛盾抵触がある場合、中文版が優先します。

出典：上海商務