第27回上海国際映画祭、計430本以上の作品が上映
第27回上海国際映画祭の上映スケジュールが6月3日夜に発表されました。現時点での公開プログラムを見ると、今年の映画祭では、上海および長江デルタ地域の48館・61スクリーンで、71カ国・地域から集まった400本以上の作品が約1500回にわたり上映されます。また、上映作品の30%が4K画質です。
今年の上海国際映画祭では、金爵賞応募作品、プレミアイベント、巨匠へのオマージュなど約20の部門を企画し、430本以上の作品上映が行われます。このうち、増設の「今日のアジア」部門は、映画祭のアジア視点を強調し、アジア各国・地域の年度新作を集めました。これにより、「中国語圏の新風」から「今日のアジア」「ワールド・パノラマ」へと、より明確なカテゴリー構成が形成されました。「ワールド・パノラマ」部門ではイタリア、日本、ドイツ、スペインに加え、イギリスとトルコの国別特集が初めて導入されました。
今年のチケット購入プラットフォームには大麦と淘票票の2つの選択肢があり、特設ページは6月3日21:30にオンラインしました。4日の正午までに、映画ファンが「マイスケジュール」に登録した映画の有効スケジュール数は60万件近くに達しました。有効スケジュール数が最も多い作品の上位2位は、『マルホランド・ドライブ(4K)』『罪人たち(IMAX/4K)』でした。

映画『マルホランド・ドライブ(4K)』の劇中写真(写真・上海国際映画祭センター)

映画『罪人たち(IMAX/4K)』の劇中写真(写真・上海国際映画祭センター)
現時点の人気作品ランキングでは、上記の2作品のほか、トップ20にランクインした作品には、『ミュージカル<レ・ミゼラブル>10周年記念コンサート(ロイヤル・アルバート・ホール)』『夏の砂の上』『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』『サンセット大通り(4K)』『七人の侍(4K)』『ブルータリスト(IMAX/4K)』『ヘイディタリー/継承(IMAX/4K)』『ピンク・フロイド:ライブ・アット・ポンペイ(IMAX/4K)』『ブルーベルベット(4K)』『バリー・リンドン(4K)』『細雪』『リンダ リンダ リンダ(4K)』『ラヴソング』『マイケル・ジャクソン THIS IS IT(IMAX)』『ファーストキス 1ST KISS』などが挙げられます。

映画『夏の砂の上』の劇中写真(写真・上海国際映画祭センター)
数多くの人気作品に加え、上海国際映画祭もより多様な視点で独自の特選プログラムを発表しています。ここではその中から特に注目すべき作品をいくつかピックアップし、ご紹介します。
厳選おすすめ作品
【映像無限】
『ボーガンクロック』
ベン・リヴォース監督の2006年の『わたしの土地』、2011年の『湖畔の2年間』に続く三部作の完結編となる新作で、スコットランドの森の中で隠遁生活を送っているジェイク・ウィリアムズの日常生活を描いたドキュメンタリーです。この作品は象徴的な16ミリフィルム撮影を踏襲し、ヒッピー風の音楽をふんだんに散りばめ、「真理は林間の空地の如し」という詩的な哲学を独自の視点で描いています。
【映像無限】
『マジック・ファーム』
アマリア・ウルマン監督の新しい「抽象的」芸術作品で、ショート動画のような斬新な撮影手法と、予測不能な展開が織りなす南米風情たっぷりの傑作で、今年のSIFFで最も笑える作品かもしれません。
【SIFFドキュメンタリー】
『アガサの庭園』
隠れ里のおばあさんの「癒し」年鑑で、16ミリフィルムの質感で田舎暮らしを再現しています。
【4K修復】
『ストレンヂア 無皇刃譚4K』
アニメ制作会社ボンズによる時代劇アニメ映画の傑作で、今回の映画祭で見逃せない名作です。
【浮雲と細雪】
『野火4K』
高く評価された市川崑監督の反戦映画で、モノクロ画面に込められた挑戦的な表現手法と、戦争への深い省察が観る者の胸を打ちます。
【今年のアジア映画】
『花まんま』
フミ子が花嫁衣装を身にまとった日、妹想いの俊樹が花まんまに隠された真実を明かす――美しくも、切なすぎる瞬間に涙が止まりません。
【名監督の新作】
『ふつうの子ども』
在日韓国人の名監督呉美保の集大成的な作品で、子供たちの無邪気さの裏に潜む「悪意」を描きます。
【4K修復】
『死の棘4K』
小栗康平監督の傑作で、極限まで研ぎ澄まされた冷酷な映像が、結婚生活の痛切な内実を抉り出します。
【スペイン特集】
『El 47』
実際の出来事を基にした、ゴヤ賞の各賞をほぼ総ナメにした問題作です。
【世界初作】
『Hanami』
カーボベルデの火山麓に暮らす人々の物語を描いており、ロカルノ映画祭で最優秀新人監督賞を受賞した作品です。
【拡大】
『チャンドゥ・チャンピオン』
かつての少年がパラリンピック金メダルを勝ち取り、再び頂点の栄光を獲得した、ユーモアと熱血が織りなす物語です。
【「一帯一路」映画ウィーク】
『ワニの涙』
密やかな養殖場で繰り広げられる母子の対立は、支配と渇望の脆弱な境界を浮き彫りにし、「熱帯の泥沼からラース・フォン・トリアーが生み出した」ほどの衝撃的な作品です。
【和合共生:映画交流100年の共鳴】
『田舎町の春』
中国映画美学の到達点を示す珠玉の一作です。
出典:上海国際映画祭センター、WeChat公式アカウント「上海発布」