上海市 日本人6名を含む50名の外国人に「白玉蘭記念賞」を授与

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11月23日午後、黄浦江のほとりにある世界会客庁で、2024年度の上海「白玉蘭記念賞」(中国語: 白玉兰纪念奖)授賞式が行われました。

今年はオーストラリア、ブラジル、カナダ、クロアチア、デンマーク、フランス、ドイツ、インド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、フィリピン、ロシア、シンガポール、トルコ、英国、米国など18カ国から、経済貿易、金融、科学技術、海運、医療などの分野で長年にわたり顕著な貢献をした50名が受賞しました。

そのうち、日本人は賀来健博士(ピジョンマタニティ・ベビー用品(上海)有限公司の董事長、ピジョン中国の総裁)、菅野真一郎氏(日本興業銀行(現みずほ銀行)上海駐在員事務所首席駐在員)、松尾純利氏(NIPPON EXPRESSホールディングス執行役員、東アジア地域総括)、中村恒星氏(三井化学機能複合プラスチック(上海)有限公司会董事長)、坪島広和氏(上海ヨシダジッパー有限公司董事、総経理、中国事業総括)、吉田武司氏(ソニー(中国)有限公司総裁、ソニーグループ中国副総代表)の6名が受賞しました。

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11月23日、授賞式での2024年上海「白玉蘭記念賞」受賞者(写真提供・上海人民政府外事弁公室)

今年は「上海白玉蘭友誼賞(名誉市民、名誉賞を含む)」と「上海白玉蘭記念賞」の創設35周年にあたり、これまでに1877名の外国人がこの上海の対外表彰の最高栄誉を受賞しました。近年、上海市政府外事弁公室は、外務が「5つのセンター」の建設に貢献することに力を入れ、市場志向、法治志向、国際志向の一流のビジネス環境の構築を支援し、ハイレベル人材の集積地の建設を促進し、上海の外国人が上海の経済社会発展に関わり、上海の現代化建設に貢献する熱意と意欲を刺激し、より多くの外国人材、外資系企業、国際機関が上海に来て、上海に滞在し、上海に溶け込み、上海の将来の発展を固く信じるように、さまざまな模索と実践を行ってきました。

授賞式の会場では、受賞者たちは、上海は夢を実現する場所であるだけでなく、遠くから来た者にとっての楽しい地であると自身の経験を述べました。「上海とともに成長していきたい」というのが受賞者全員に共通する願いです。

上海は私たちに無限の可能性を与えてくれる

国際トウモロコシ・小麦改良センターのグローバルトウモロコシプロジェクト部門の責任者を務めるインド出身のマルティ・プラサナ・ボドゥパリ博士は、2018年に同センターと上海市農業科学院による特殊トウモロコシ研究センターの共同設立を推進しました。彼は「世界のトウモロコシ研究協力の中で、上海との協力は最も優れたものです」と興奮気味に語り、上海との協力関係は、中国の農業発展を促進するだけでなく、グローバルサウスの農業の進歩を効果的に促進することになると述べました。

イタリア出身のUFI Filters グループアジア太平洋地域COO兼執行役員のシモーネ・トラッツィ氏は、上海は無限の可能性を与えてくれ、ここで会社とともに一歩ずつ成長してきたと語りました。2008年に妻とともに上海に来た彼は「当時は単なる仕事でしたが、今では胸を張って上海を『我が家』と呼べるようになりました」と語りました。

中国の新エネルギー自動車産業の発展のおかげで、UFI Filtersグループはこの地で自動車部品メーカーとしても大成功を収め、現在では中国に7つの工場を開設し、2000人以上の従業員を擁し、上海に研究開発と生産の拠点を置いています。「産業・商業・物流・金融・イノベーションのいずれの分野においても、上海は私たちにとって非常に魅力的です」。

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11月23日、2024年度の上海「白玉蘭記念賞」授賞式が行われました。(写真提供・上海人民政府外事弁公室)

積極的に民間交流のかけ橋に

武康路にある巴金の故居は、フランス人で上海外国語大学美術史教授のフィリップ・シンキーニ博士のお気に入りの場所です。彼は「食習慣、生活概念、芸術美学の分野において、ヨーロッパの地中海世界と上海には共通点があります」と述べました。授賞式では、素晴らしいフランスのフェドーラ帽をかぶった彼は、「この20年間、私はすべてのエネルギーを、芸術と文化を通じて築かれたフランスと中国の絆を守り、強化することに捧げてきました。これは貴重な金の糸です」と語りました。

彼は「上海とパリの間:中国近現代芸術展」の開催に参画し、フランスの8つの博物館・美術館と中国の博物館との協力を推進するなど、長年にわたって両国の博物館の間の交流を推進してきました。2021年からは、上海外国語大学の教授に就任し、両国間の次世代の友好関係を育むという重要な任務を担っています。彼は「中国の若者をフランスに呼び込み、フランスの若者を中国に呼び込む必要がります」と語りました。

フランス人の受賞者たちは、今年が中仏国交樹立60周年であることに言及しました。上海交通大学医学部の中仏協力プロジェクトのナショナルコーディネーターであり、フランス国立医学アカデミーメンバーでもあるマルク・デルペシュ教授は、「両国の間には数十年にわたって深い友情が築かれ、今もなお深められ続けています」と述べました。彼は、上海とフランスの主要な医学部との交流を支援し、毎年フランス人教授を上海に派遣して教育活動を行うだけでなく、上海における「フランス病院滞在プログラム」の実施と発展の推進に貢献してきました。彼は「医療と教育の分野における両国の協力関係には長い歴史があり、岩のように固いものです。私たちの友情と協力は、常に深く広くなり続けています」と、両国を結ぶかけ橋になることを望んでいると語りました。

ともにより良い未来のために

菅野真一郎氏は1984年に日本興業銀行(現みずほ銀行)上海駐在員事務所首席駐在員として上海に赴任して以来、29年間、中国ビジネスに携わり、上海における大型の外貨ファイナンス案件のサポートや、中日合弁事業の大型案件を数多く推進し、上海の外資誘致・投資市場の開拓に貢献してきました。

今年81歳になる菅野氏は、「私が上海で手掛けた案件で失敗したものは1つもない」と述べ、上海人の知恵と才能、契約精神、そして経済発展への全面的なコミットメントが、日本企業が上海の将来を楽観視する重要な理由であると記者に語りました。彼は日本の企業家たちに、年に2、3回は上海に来て、上海の経済発展を自分の目で見るように呼び掛けています。

上海にあるイタリアの法律事務所D'Andrea & Partnersのマネージングパートナーのカルロ・アンドレア氏は記者に、「上海は私に希望に満ちた気持ちにさせてくれます。もしあなたのビジネスがハイテク分野に進出したい、あるいはアジア太平洋地域に地域本社を設立する必要があるならば、上海はまたとないところです」と語りました。また、ソニー(中国)有限公司の吉田武司総裁は、長期的発展のための戦略的ビジョンを持って中国での事業展開をさらに深化させていくとし、「私たちは中国のクリエイターが世界に進出することを引き続きサポートし、グローバルな文化交流に貢献できるよう支援していきます」と述べました。

受賞者代表のマーク・ダレベシュ氏の「今後も、我々はこの栄誉に値することを証明するために、必ず最善を尽くします」という言葉に会場から大きな拍手が沸き起こりました。

出典:上観新聞(Shanghai Observer)