南外灘オーダーメイドセンター:サービス向上で世界中の観光客を魅了
上海を訪れる海外観光客に人気のスポットとなっている「南外灘軽紡面料市場」がこのほど、改修工事を終え、「南外灘オーダーメイドセンター」としてリニューアルオーペンしました。
2006年に董家渡エリアで開設された同市場は、2025年に海外SNSで大きな話題を呼びました。観光客の急増は新たなビジネスチャンスをもたらした一方、施設やサービスの改善が必要になるという課題も浮き彫りにしました。こうした状況を受け、黄浦区は、日増しに増加するニーズに対応するため、2026年上半期に大規模なリニューアルプロジェクトを始動しました。
「南外灘オーダーメイドセンター」の外観(撮影・海沙爾/解放日報)
旧市場から体験型スポットへ
今回のリニューアルでは、建物の外観から内装まで空間全体が一新され、来客が地域文化に触れながら買い物や休憩を楽しめる場所へと生まれ変わらせました。
外構部分では、これまで歩道との間にあった約1メートルほどの段差を、ゆるやかなスロープや階段状のステップによって解消し、スムーズな動線を確保しました。また、通り沿いには木製のベンチを新設し、買い物客が気軽に腰を下ろして休めるようにしました。マットな銅色の外壁に、生地の質感をイメージしたひさしを組み合わせることで、従来の市場が持つ雑然とした印象も一新しています。さらに、周辺ではポケットパークの整備も計画されています。
館内では、長年の課題となっていた設備や環境の改善に取り組みました。南外灘オーダーメイドセンターの運営事業者は、100万元以上を投入して、空調や照明設備をリニューアルし、館内の快適性を大幅に向上させました。また、各店舗でも看板の掛け替えやサンプル商品の陳列を見直したりするなど、店構えも一新されています。
外国語対応や外貨両替など、海外客向けサービスを拡充
急激な人気高騰とともに顕在化したインバウンド客向けサービスの課題に対応するために、黄浦区の関連部門が連携して訪中観光客のニーズに応じた受け入れ体制を整備しました。
語学面では、小東門街道総工会が中心となり、店舗経営者向けの「外国語ナイトスクール」を開講しました。全8回の講座には100人を超える店舗経営者が参加し、上海外国語大学の講師から、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語による接客に役立つ実用フレーズや異文化対応について学びました。また、講座終了後には、参加者たちが生地の端切れを活用して中国語と英語を併記した店舗案内プレートも制作しました。
サービス面では、同センターは観光客向けの特急対応サービスを開始し、急ぎの注文であれば最短で翌日に受け取れる体制を整えました。また、国際配送サービスの標準化も進めており、施設入口付近に統一の荷物受付・発送窓口を設置し、仕上げた衣服をまとめて世界各地へ直送できる仕組みを整備する計画です。さらに、6通貨に対応可能な外貨両替機も導入し、海外からの観光客が利用しやすい決済環境の整備にも取り組んでいます。
同センターに導入された6通貨に対応可能な外貨両替機(写真提供・解放日報)
このほか、関連業界団体の働きかけにより、「上海市服装オーダーメイドサービス共通基準」と「上海市オーダーメイド服飾サービス基準」が同センターで先行導入され、消費者トラブルの防止・減少にもつなげています。
大衆向けから個性重視まで、オーダーメイド産業の集積を目指す
今年9月末には、南外灘オーダーメイドセンターから数キロ離れた場所に、「緑地外灘グローバルオーダーメイドセンター」がオープンしました。
「紅帮裁縫」をはじめ、国家級無形文化遺産の技術を受け継ぐ老舗ブランド数社が出店し、世界中の来客に上質なオーダーメイドサービスを提供し、中国と海外のオーダーメイド交流の100年にわたる歴史を受け継いでいます。また、館内にはシルクブランドの「絲所(SILK LAB)」や名優・梅蘭芳にちなんだIP関連商品を取り扱うセレクトショップなど、個性豊かなショップも多数集っています。
4階の上海高級オーダーメイドファッションセンターでは、高級仕立て服をはじめ、無形文化財の工芸品、東洋の匠の技術と美意識を体現した作品などを取りそろえています。伝統技術と現代の東洋的なオートクチュールデザインが融合した世界観を発信するとともに、出国時の税還付手続きや多様な決済手段など、海外からの観光客向けサービスも充実しています。
「黄浦区上海国際消費中心都市の中核エリア建設に向けた第15次五カ年計画」では、「南外灘オーダーメイドセンターと豫園商城」を結ぶオーダーメイド体験エリアの整備を加速する方針が打ち出されています。大衆向けオーダーメイドと個性重視のオーダーメイドという2つの市場を軸に、幅広い顧客層のニーズに対応する産業空間の整備を進め、「1エリア・2拠点・複数スポットが連携する」ファッション・オーダーメイドの集積型体験エリアを構築する計画です。これにより、上海のオーダーメイドブランドを支える中核拠点として、新ブランドや新商品をいち早く発信する拠点となることを目指しています。
南外灘オーダーメイドセンター
所在地:上海市黄浦区陸家浜路399号
緑地外灘グローバルオーダーメイドセンター
所在地:上海市黄浦区王家碼頭路188号
出典:解放日報