今年9月、企業と市民の高頻度ニーズをめぐり、上海税関は全国に先駆けて、税関申告書の修正・撤回、出国時の税還付、出入国郵便物の受取・発送などを「一つの手続きで効率的に完了できる」オンラインサービスを実施し、窓口を走り回らなくても、オンラインで完結する方式に転換させました。これらのプロジェクトは実施から2か月間で、顕著な成果を上げています。

このほど、上海税関はさらにサービスをアップグレードし、オンラインで自主開示のオンライン申請、輸入化粧品サンプルの簡易通関、消費財の「首発経済（初発表経済）」という3つの「一件事（ワンストップサービス）」プロジェクトを新たに稼働させました。スマート化、手続きの簡素化、手続きの免除といった革新的アプローチにより、企業と市民に寄り添った実質的な利便性を提供し、課題解決を後押ししていきます。

自主開示オンライン申請「一件事」——「3つの“～化”サービス」で手続き体験を改善

自主開示制度の実施以来、窓口での申請は対面での相談が可能である一方、企業が資料提出のために何度も来訪する必要があることや、複雑な案件の審査において税関職員がリアタイムでの協同支援が受けられないなど、改善すべき課題が顕在化していました。これを受け、上海税関は自主開示オンライン申請の「一件事」サービスを導入し、「3つの“～化”」でサービスの改善を図っています。

• プロセスの標準化

        申請システムで記入要件と必要資料を明示することで、企業の不安を解消。

• 手続の簡素化

        オンライン審査で追加された補完資料をリアルタイムで通知することで、「来訪不要か、多くても一度の来訪」を実現。

• 協同作業の質の向上

        複雑な問題はワンクリックでサポートを要請でき、専門家の意見によって的確に解決可能。

さらに、今年10月11日に「税務規則違反行為の自発的開示の処理の関連事項に関する公告」が正式に施行され、罰則免除の条件がさらに緩和され、手続き条件が最適化されています。オンライン申請と政策優遇の相乗効果により、制度的な利便性が一段と高まっています。

輸入化粧品サンプルの簡易通関「一件事」——研究・開発を加速させる3つの施策

化粧品の新商品は季節性が強く、通関が1日遅れるだけで発売の好機を逃す可能性があります。このため上海税関は、検査・監督・サービスの三方面から施策を講じ、化粧品の国際的な研究・開発に対して包括的な支援を提供します。

• 検査負担の軽減

        条件を満たす研究開発用サンプルについては、中国語ラベルおよびサンプリングの検査を免除し、通関時間を平均で50％以上短縮。

• リスクレベルに応じた管理

        「企業信用＋サンプルリスク」に基づくリスク評価システムに基づく管理区分により、管理が適正で、長期的に輸入している企業には特別優遇通関待遇を付与。

• オンラインサービス

        「インターネット＋税関」プラットフォームを活用し、業務ガイド、オンライン申請、リアルタイム照会などの統合サービスを提供。

消費財の首発経済「一件事」——「ホワイトリスト＋差別化」で「首発上海（ファースト・イン・上海）」を後押し

上海は全国最大の輸入消費財の集積地であり、「首発経済」の中心地として、企業にとって、新製品を「迅速かつ損傷なく」通関させたいというニーズが強いです。上海税関は、9回にわたる企業へのヒアリングと検討を経て、「ホワイトリスト＋差別化した適合性評価」モデルを創設しました。これにより、地方商務部門から推薦された重点企業と新製品を対象に、税関が安全リスク評価を実施した上で分類して監督します。初出展・初公開の展示品、20点以下の少量の新製品については、「適合確認」により迅速に検査の上、通過させることができます。20点以上の場合も試験機関による報告書と「適合確認」により迅速に検査・通過させます。

現在、ホワイトリストには27社の多国籍ブランド本部、44の国際的なブランド、2万点超の首発商品が登録されています。10月末までに1656件・4392バッチの貨物が本措置によって通関し、処理時間は約80％短縮されました。この措置は国際消費中心都市・上海の地位をより強化しています。

出典：上観新聞、新民晩報