競業制限補償について
競業制限補償とは、使用者が労働者との間で適法に締結した競業制限条項に基づき、労働契約の解除または終了後、労働者が契約通り競業避止義務を履行している期間中に、使用者が労働者に対し、毎月金銭の形で支払う経済的補償金を指します。この補償は、労働者が職業選択の自由を制限されることによって被る可能性のある経済的損失を補填し、使用者による営業秘密保護と労働者の就業権との利益関係の均衡をはかることを目的としています。
一、競業制限の対象者
競業制限の対象となる者は、使用者の高級管理職、高級技術職、およびその他守秘義務を負う者に限られます。実務上、「その他守秘義務を負う者」に該当するかについては、主としてその職務が研究開発、営業、財務など、技術上または経営上の秘密に接触しやすい機密性の高いものであるか否かが判断基準とされます。単に業界の一般的知識や通常の経営情報のみを把握しているだけの労働者については、守秘義務を負う者として認定すべきではありません。
二、競業制限の内容
競業制限の内容は、一般的に、競業制限の範囲・地域・期間が含まれます。
範囲:使用者と同類の製品を生産または販売し、あるいは同類の事業を営む競合関係にある事業体。
地域:使用者の事業活動の影響力に基づいて決定される。
期間:競業制限期間の合意は、最長でも2年を超えてはならない。
三、競業制限補償の支払基準
1.契約がある場合は契約に従う
使用者と労働者は、労働契約または競業避止義務契約において、補償金の具体的金額、算定方法、支払周期および支払時期を定めることができます。法律は当事者双方の自由な合意を尊重しています。合意内容が法律の強行規定に違反しない限り、その合意は法的効力を有し、双方はこれを遵守しなければなりません。
2.契約がない場合は法定基準に従う
「最高人民法院による労働争議案件の審理における法律適用問題に関する解釈(一)」第36条の規定によれば、双方が競業避止義務について合意していたものの補償金について定めていない場合において、労働者が競業避止義務を履行し、使用者に対して、労働契約解除または終了前12ヶ月の平均賃金の30%を基準として毎月補償を支払うよう請求したときは、人民法院はこれを支持するとあります。また、月平均賃金の30%が労働契約の履行地の最低賃金基準を下回る場合には、当該地域の最低賃金基準に従って支払います。すなわち、この規定には、以下の2つの下限が設けられています。
基準下限:労働者の離職前12ヶ月間の平均賃金の30%。
絶対下限:当該地域の最低賃金基準以上であること。
四、競業制限の解除
1.使用者による一方的解除権
労働契約の解除または終了前であれば、使用者は労働者へ通知することで、競業避止義務契約を一方的に解除することができ、追加の経済補償を支払う必要はありません。労働契約の解除または終了後であっても、競業制限期間中であれば、使用者は追加で3ヶ月分の競業制限の補償金を支払うことにより、競業避止義務契約を解除することができます。
2.労働者による解除権の行使
使用者が3ヶ月間競業制限補償金を支払わなかった場合、労働者は競業避止義務の解除を主張する権利を有します。これ以外の場合には、労働者は競業避止義務契約を一方的に解除することはできません。
※ 上記日本語翻訳は参考用です。中国語版が正式なものであり、両言語版の間に相違がある場合、中国語版が優先されます。
出典:人力資源社会保障部門