埼玉から上海へ:山森隆輔と彼のSuit Story
2012年、山森隆輔は上海にオーダースーツ店「Suit Story」を創業しました。長年にわたり、常連客の口コミで新規顧客が増え、客足は着実に伸び続けています。上海に拠点を置いた理由について、山森隆輔は「上海は真の国際都市で、人々はファッションに対する理解が深く、さらに奥深い個別のニーズを持っており、ちょうど私はこの技術で、人々の期待に応えられると確信している」と語りました。
山森隆輔は日本の埼玉県で生まれ、母親は洋裁師でした。幼少期は一日中衣服に囲まれた環境で過ごし、自然と裁縫に親しむようになりました。高校時代に巻き起こった「原宿ファッションブーム」がきっかけでファッションに強い関心を抱くようになり、その情熱は大学時代にさらに確かなものになりました。彼は学校のファッションショーなどの部活に参加し、デザインと制作を担当する中で、オーダーメイドファッションを生涯の仕事にしようと決意しました。

スーツ姿の山森隆輔(写真提供・山森隆輔)

採寸している山森隆輔(写真提供・山森隆輔)
卒業後、山森は日本のオーダーメイド業界で働き、着実な専門スキルを習得したと同時に、自分のデザインを中国に持ち込みたいという思いも芽生えました。2010年の上海万博は、世界に上海の発展成果と都市魅力を示し、山森もこの都市で起業するチャンスを敏感に捉えました。彼は上海には高品質で個性的なスーツへの需要に応える高級オーダースーツ店が必要だと確信していました。それから2年後、山森は家族とともに上海に移住し、Suit Storyを立ち上げました。
上海での店舗経営は10年以上にわたり、山森は上海の人々の服装スタイルがますます多様性を増し、従来のスーツがビジネスのイメージだけに限定されなくなっていることに気づきました。それに応じて、彼は生地の種類を充実し、色彩の組み合わせも大胆に革新させることで、顧客の多様なニーズに細かく対応していました。山森は、「顧客の信頼を獲得するには、サービスの細部へのこだわりが重要だ。生地からデザイン、着用シーズンから着用シーンまで、顧客のニーズを深く理解して初めて、最適な提案ができる」と語りました。
山森にとって、上海は起業の地であるだけでなく、インスピレーションの源泉でもあります。仕事の合間には、上海での生活を存分に楽しんでいます。彼は世界各国の料理を味わうことが好きで、武康路や愚園路を散歩し、都市の雰囲気を感じるのも楽しみの一つです。「上海の魅力は、いつも新しい発見があり、決して飽きることがないところだ。私はもっと多くの日本の友人たちを上海に招き、異なる生活を体験してほしい」と山森は笑顔で話しました。
出典:上観新聞、新民晩報