Janaka Jayawickrama氏の中国物語:温かい心遣いで不可能も可能になる
編集者注:中国に住んでいる外国人に、彼らが働き、暮らしている都市について話を聞きこみました。スリランカ人のJanaka Jayawickrama氏は、現在上海大学の社会人類学の教授です。
スリランカ出身のJanaka Jayawickrama氏は現在、上海大学で社会人類学の教授を勤めています。 (写真・study.edu.sh.gov.cn/en)
20年も英国に住んでから中国へ移住するのは私と家族にとってわくわくさせる決定でした。とはいえ、これから何が待ってくれているかが全然わからないが、開放的な気持ちを持っていました。
私たちは3人家族です。妻はデザイナー、息子はアーティスト、そして私は学者です。
上海大学文学部に加入する機会をいただいたとき、私たちはとてもうれしく思いました。私たちは新しい経験や文化、社会から学びたかったのです。
私のキャンパスストーリーは妻と息子と私の物語でもあります。
3つの言葉でこの物語を語ろうと言われれば、「思いやり」、「お気遣い」、「協力」が言いたいです。
これまで30年間複数の大陸の間で旅してきた経験から言えば、新しい国への移住に常にチャレンジが伴います。
そのうち最も私たちを悩ませる課題は言語、社会構造、そして期待でしょう。2022年11月に初めて中国に到着したとき、何もかも難しく思いました。言葉も分からないし、社会構造についてもよく知らないし、そして何かが期待できるが、何かが期待されているのかが全然わかりませんでしたから。
しかし、難しいと思っていたことが、周りの方々が思いやってくれて、関心を寄せてもらって何も乗り越えられるようになるとすぐに気づきました。
上海大学の方々はみんな、私と家族に思いやりがあり、親切にもてなしてくれました。
言語、社会構造、期待から生み出した困難も、みんなの温かい気持ちのおかげでそれほど困らなくなりました。
こんなことをまだ覚えています。ある若い学生はスマホで新しいアプリケーションの使い方を丁寧に説明してくれました。同僚はわざわざ手間をかけて口座開設に銀行まで同行してくれました。警備員はキャンパスへ入るためのQRコードをスキャンする際に手伝ってくれました。あるおばあさんは言葉が分からない私たちに話しをかけてくれました。これらはすべて、上海で出会った素晴らしい瞬間と温かい体験です。
ある日、家族と買い物からアパートに戻って、アパートのドアの電子錠が反応しなくなってしまったが、すぐに同校の職員が助けに来てくれました。彼らは最善を尽くしましたが失敗しました。その後、建物の管理人がマスターキーを持ってやって来たが、やはり開かなく、修理スタッフが工具一式を持って来るのを待つしかありませんでした。しかし、最初からここまで聞こえたのは笑い声だけでした。
これはごく普通のことかもしれませんが、初めて中国に来て言葉も通じない人にとってはまさに「危機」だといえるでしょう。しかし、皆のお手伝い、そしてその温かい気持ちでこの「危機」は最後に解決されたのです。
中国美術館を訪れるJanaka Jayawickrama氏(最後列右から3人目)と上海大学の外国人教師と学生たち。(写真・study.edu.sh.gov.cn/en)
また、上海大学は留学生や外国人教職員のためにたくさんのイベントを企画してくれます。
博物館見学、グルメフェスティバル、セミナーなど、さまざまな活動に参加することにより、私たちはよりスムーズに学校や街に溶け込むようにになりました。
さらに、これらのイベントのおかげで、中国や世界各地の新しい友達に出会うチャンスをもえました。いままでインドやハンガリー、トルコ、ガーナ、タイなどたくさんの国から新しい友人ができました。これはまさにグローバルな体験です。
現地の言語や文化を学ぶのは簡単ではありません。さすが5000年の歴史をもつ中国文化ですから。どこから始めるべきかを決めるのは非常に難しいことである一方、私たちにとって大きな恩恵でもあることがわかっています。
さて、上海大学のキャンパスは、美しくて、家族にとっても住み心地がよくて、ところどころも活気が溢れています。美しい花や鳥、昆虫、そして探索に値する場所がたくさんあります。このような魅力的で絵のような美しいキャンパスに住めて心から感謝しています。
ここ数ヶ月、私たちはたくさんの友達を作りました。そのほとんどは同僚、学生、そして上海で出会った友人です。まだキャンパス内のすべての人の名前を知っていないが、お互いの顔が知っているから、すれ違うたびに笑顔や笑い声を共有しています。
いかなる物事が始まりが大変ですが、今は上海での生活リズムができています。
これは学びについての物語です。そして人類共通の経験についての物語でもあります。