感情を込めて歌うロシア歌手
10月21日、5オクターブのファルセットで有名なロシア歌手ヴィタスは国家会展中心(上海)でコンサートを行っている様子です。(写真・チャイナデイリー)
5オクターブのファルセットで知られているロシアの歌手ヴィタスがこの前、国家会展中心(上海)で満席の中、コンサートを行いました。
コンサートで、彼は最も有名なレパートリーである「オペラ# 2」や「7番目の要素」、そして中国の人気民謡「チベット高原」を捧げました。
ヴィタス(本名ビタリー・ブラダソビッチ・グラチョーフ)は、中国で最も有名なロシアの歌手です。2006年、彼は中国中央テレビ局に招聘され、「中国におけるロシア年」を祝うガラショーに出演し、一躍有名になりました。
公演で、彼の信じられないほどの高音域とオペラ、テクノ、フォークなどのジャンルを組み合わせたさまざまな音楽スタイル、さらにファルセットが聴衆を魅了し、「高音の王子」というニックネームを与えられました。
四年ぶりに中国で出演したヴィタスは上海公演に続き、北京、湖北省武漢市、広東省広州市も回る予定です。
「中国で何回公演したのかはおぼえていませんが、総数は間違いなく150回を超えています」と歌手は中国日報に語っています。
10月21日、5オクターブのファルセットで有名なロシア歌手ヴィタスは国家会展中心(上海)でコンサートを行っている様子です。(写真・チャイナデイリー)
ヴィタスは中国をたびたび訪れることで、中国を来るのがまるで自宅に帰るように感じ、「親切で、いつも微笑んでいる」中国人観客の「魅力的なエチケット」に最も感銘を受けたというそうです。
今年、中国とロシアは一部の国境都市で団体観光客のビザなし渡航を再開したことに対し、ヴィタスは非常に喜んでいます。
「両国は兄弟と家族のような存在です。この新しい政策で私たちはさらに親しみになるのでしょう。ロシア人は国境を越えて中国で朝食をとる記事を読んだことがあります。私も中国料理が大好きです。中国料理がおいしい。両国人民の友情が永遠に続くことを願っています」と彼は語っていました。
1979年にラトビアで生まれた彼は、ロシア、リトアニア、ユダヤのルーツを持ち、幼い頃に家族と一緒にウクライナのオデッサに移住しました。元の名前があまりにも長いと思ったので、十代の頃にヴィタスと名乗るようになりました。
彼の音楽キャリアのスタートは困難でした。オデッサの音楽大学への入学を断われたヴィタスはナイトクラブでマイケル・ジャクソンのヒット曲のカバーを演奏することに頼まれました。ロシアのプロデューサーであるプドフキン・セルゲイにスカウトされた時、彼は実験劇場で出演していました。
10月21日、5オクターブのファルセットで有名なロシア歌手ヴィタスは国家会展中心(上海)でコンサートを行っている様子です。(写真・チャイナデイリー)
彼が若者向けテレビ局で働いていたとき、『Opera# 2』のミュージックビデオが初公開され、大きな注目を集めました。同ビデオでは、彼は人工エラをつけた孤独な半魚人の格好をしています。これをきっかけに、ロシア国内外でのコンサートツアーが成功を収めたと彼は振り返っていました。
2008年の中国ツアー中、ヴィタスは私物の一部をオークションに出品し、その収益を四川大地震の被災地に寄付しました。また、彼は俳優としても活動して、中国の映画やテレビ番組にも出演したことがあります。
ここ数年、ヴィタスは家庭生活に重心を移していました。「第3子である娘の世話に多くの時間を費やしました。今、娘も話し始めたので、これからは再び自分のキャリアに目を向け、子供たちに誇りに思ってもらえるようにしたいですから」とヴィタスは述べました。自分の声を守るために、ヴィタスは禁酒し、よくジュースを飲んでいるそうです。
「中国で、温かい飲み物を飲むのが一般です。この方法で寒さが体内に入るのが防げるそうです。とても効果的でした」と彼が言っていました。