【回顧】上海、スポーツイベントで消費活力を引き出す
スポーツイベントのためにある都市に行くのは、ますます多くの人のライフスタイルになりつつあります。2024年末が近づく中、上海でいくつかのスポーツイベントが開催されます。今週末には、黄浦江のほとりでWDSFダンススポーツグランプリの決勝戦が開催されます。12月5日の時点で、上海では今年171の国内外のスポーツイベントが開催され、通年の数は過去最高に達すると予想されています。
2024上海マラソンには3万8000名のランナーが参加しました。(写真・上観新聞)
トップクラスのスポーツイベントの総合効果を発揮
スポーツイベントエコノミーはスポーツ消費の中核要素であり、スポーツイベントはチケットやブランドスポンサーシップなどを通じて直接収入に転換できるだけでなく、観光客を誘致することで観光、ケータリングなどの消費全体の成長を促進することもできます。毎年のF1世界選手権中国グランプリ、上海ATP1000マスターズ、上海環球馬術選手権などは、世界中のスポーツファンを惹きつけるトップクラスの国際イベントです。上海はスポーツイベント開催に関する豊かな経験を有しており、多くの国際スポーツ機関ひいては国際オリンピック委員会にとって、イベント開催の第一候補地となっています。
オリンピック予選シリーズ・上海のBMXフリースタイル試合現場の様子。(写真・上観新聞)
今年5月、緑豊かな川沿いで、パリオリンピック予選シリーズ・上海が開催され、120 以上の国と地域から460人以上のトップアスリートがスケートボード、スポーツクライミング、ブレイクダンス、BMXフリースタイルなどの競技のオリンピック出場権をかけて競い合いました。4日間のイベントでは、5つのカーニバルショーと16のテーマ活動が開催されました。
日本のスケートボーダー小野寺吟雲さん(14)は、ストリートスケートボード世界選手権の最年少メダリストです。中国文化が好きなため、競技のために上海に来た間、彼は小餛飩や小籠包を味わい、夜の街を歩き回り、見聞きしたことをソーシャルプラットフォームで共有しました。
オリンピック予選シリーズ・上海のスケートボード試合現場の様子。(写真・上観新聞)
「より若い、より都会的、より開放的」というコンセプトのもと、オリンピック予選シリーズ・上海には4万5000人を超える国内外からの観客が集まり、そのうち11%が海外から、45% が国内の他の都市からでした。統計によると、オリンピック予選シリーズ・上海の直接的な経済効果は6億4300万元、間接的な経済効果は14億2000万元に達したといいます。
上海が世界的に有名なスポーツ都市を建設する中、オリンピック予選シリーズ・上海は新興ファッションスポーツを活用し、都市スポーツの総合的な効果を発揮させ、スポーツ空間の「競技+」から「生活+」への変革を積極的に模索し、イベント観戦とレジャー・フィットネス、青少年教育、文化普及、文化観光消費を融合しました。
「スポーツイベントとともに旅をする」消費を牽引
「テニス界の皇帝」フェデラーは引退しましたが、上海との絆は続いています。彼は毎年上海ATP1000マスターズに喜んでやって来て、地下鉄に乗ったり、小さな食品市場を訪れたりします。世界中からファンが彼を追いかけて上海までやって来ています。
「フェデラー・スーパー・フレンズ・ナイト」では、フェデラー(右から1人目)がイーソン・チャン(右から2人目)とペアを組み、樊振東 (左から2人目) と張之臻ペア(左から1人目)と対戦しました。(写真・上観新聞)
2024年には、上海観光フェスティバルと「5・5ショッピングフェスティバル」が開催され、都市の夏の消費促進キャンペーンの新たなIPである「上海の夏」国際消費シーズンを創出し、更なる国内外観光客の誘致を図りました。上海の質の高いスポーツイベントは引き続き総合的効果をもたらし、「スポーツイベントとともに旅する」消費の拡大を促進しています。
今年4月、20周年を迎えたF1世界選手権中国グランプリには20万人以上の観客が現場で観戦し、そのうち70%が上海以外都市からの中国人観客で、10%が海外からの観客で、この割合は過去20年最高を記録しました。F1試合期間中、上海のホテル予約は前年同期比63%増加しました。イベント開催地の嘉定区はこの波になり、主要商業企業10社の3日間の旅客数は合計135万人近くで、営業収入は1億2000万元近くとなり、一般の週末より旅客数は2倍となりました。スポーツイベントを通じて、食事、宿泊、交通、観光、買い物、娯楽という旅の6要素の全面的な向上を実現しました。
F1世界選手権中国グランプリで海外からの観客は10%を占めました。(写真・上観新聞)
2週間にわたった上海ATPマスターズ1000は、初めて国慶節のゴールデンウイークを完全にカバーし、延べ22万人以上が試合を観戦に会場に訪れ、その70%近くが上海市外からの観客でした。観客数、チケット収入、公式記念品の売り上げはすべて過去最高を記録しました。今年のF1中国グランプリと上海ATP1000マスターズの合計収益は5億2000万元に達したと報じられています。
上海マスターズ1000の出場選手は第35回上海観光フェスティバルの文化イベント「何以敦煌」敦煌美術大展を見学しました。(写真・上観新聞)
上海ATP1000マスターズは「チケット+」という革新的なモデルにより、試合チケットと浦江遊覧船、上海博物館古代エジプト文明大展などの上海市内の観光名所も組み合わせ、「スポーツイベントとともに旅をする」の内容を豊かにし、上海の文化と観光産業の新たな成長点をもたらします。
スポーツイベント陣を構築
上海市は2021年に初めて「上海大会」ブランド認定システムを打ち出し、国内スポーツイベントのサービス認定の空白を埋めるだけでなく、上海スポーツイベントの健全な発展を促進することにもなっています。
2024 MXGPモトクロス世界選手権(中国・上海)現場の様子。(写真・上観新聞)
今年9月、2024 MXGPモトクロス世界選手権(中国・上海)は5年ぶりに開催されました。和匯グループにより導入され上海で開催されることになったこのイベントは、政府が支援し民間企業が運営する国際トップスポーツイベントの成功例となっています。今年は1万7000人が生観戦し、国内オンライン視聴者数が延べ1000万人に達し、過去最高を更新しました。関連評価報告によると、2024 MXGPモトクロス世界選手権(中国・上海)がもたらす直接的な経済効果は計1億1400万元で、産出効果は2億6800万元に達し、前年比50%増加しました。
蘇州河で開催された上海レガッタオープン(写真・上観新聞)
数多くの新しいイベントの開催は、上海が国際的なスポーツイベントの都となる可能性を反映しています。オリンピック予選シリーズ・上海のほか、四大陸フィギュアスケート選手権、FISEエクストリームスポーツ大会ワールドツアー・上海、FINA競泳ワールドカップなども上海で行われました。また、「3+3+3+X」の独自のブランドスポーツイベント陣を引き続き作っています。上海マラソン、上海レガッタオープン、上海セーリングオープン、フューチャースターカップ、上海スーパーカップに、ツアー・オブ・上海ニューシティ自転車レースが加えられ、都市の特色を示すイベントシステムが形成されています。
ロードサイクリングは、サイクリング愛好家の「スポーツ+観光」のニーズを満たし、イベント期間中、多くの国内のサイクリング愛好家がナショナルサイクリング活動に参加し、文化、スポーツ、ビジネス、観光、展示会の統合的発展を効果的に促進し、地元の宿泊やケータリング、ショッピングなどの観光消費を拡大しました。
ツアー・オブ・上海ニューシティ自転車レースに参加する外国人選手たちは、青浦の朱家角古鎮でお茶を味わいながら、伝統芸能の評弾を楽しみました。(写真・上観新聞)
スポーツイベントの波及効果を拡大するには、目的、資源、ユーザーニーズ、文化などのマッチングポイントを的確に見つけ出さなければなりません。それによって、深く統合し、新たなビジネスモデル、サービス形態、消費者体験を生み出し、新たな競争力と成長の原動力を構築することができます。将来、上海はまた各区、協会、市場主体が地域の発展に適し、特色豊かな独自のスポートイベントIPを積極的に創設することを奨励し、世界的な影響力を持つ上海独自のブランドスポーツイベント陣を形成し、上海のスポーツイベント、ビジネス、文化、観光、展示会などの産業の統合発展を促進していきます。
出典:上観新聞(Shanghai Observer)