上海博物館東館が12月3日から完全オープン M20+世界トップ博物館会議同日に開幕
12月3日、上海博物館東館は完全にオープンすることを発表し、M20+世界トップ博物館会議は同日に東館で開幕しました。
上海博物館東館(写真・上海博物館)
上海博物館東館は、浦東新区世紀大道1952号に位置し、上海科学技術館、上海図書館東館、上海東方芸術センターなどの文化施設に隣接しており、文化集積効果を形成しています。
今年初めから、上海博物館東館は年間を通じて3段階に分けて順次開館しました。今年2月2日、「星耀中国展」が試験開放された「青銅展示館」で開幕しました。11月末には、中国歴代書法館や中国歴代絵画館などの最後の一部のホールが開放することで、上海博物館東館がフルオープンしました。7年以上をかけて建設された上海博物館東館は、建設面積が約12万平方メートルで、計20の展示ホールとインタラクティブな体験スペースを設け、1万5000点以上の文化財が展示されています。完全オープン後、年間来場者が600万人以上となる見込みです。今年2月2日の試験開放以来、延べ400万人以上が来場しました。
上海博物館東館の外見(写真・上海博物館)
世界で最も完全な中国古代美術のカテゴリーを所蔵する博物館である上海博物館の所蔵品総数は102万点を超え、そのうちに貴重文化財が約15万点含まれており、中国の優れた伝統文化を証明できるあらゆる代表的な証拠を網羅しています。東館は「中国古代芸術のあらゆる側面を網羅する」収集保管・研究体制と展示体制を構築しています。青銅館、彫刻館、陶磁館、印章篆刻館、玉器館、貨幣館、書法館、絵画館の8つの基本展示は「中国古代芸術史の教科書」と言えます。スペースの拡張のおかげで、元々人民広場館にあった8つの中国古代芸術史展示ホールは、東館でさらに改善され、展示される貴重な文化財の割合が大幅に増加し、さまざまな芸術カテゴリーの発展の歴史と中国文明の素晴らしさをよりよく示しています。
上海博物館は近年、基本展示に加え、「何以中国(The Essence of China)」、「対話世界(A Dialogue with the World )」、「百物看中国(百物から中国を見る)」、「拾慧古今(Drawing the Inspiration from the Past)」という4つのシリーズ特別展示ブランドの創設に努めています。
上海博物館東館の開催中の「ピラミッドの頂:古代エジプト文明展」(写真・上海博物館)
12月3日から4日にかけて、国内外の有名博物館の代表者100人近くが上海に集まり、時代の発展の中で博物館が直面する機会と課題について話し合い、上海博物館東館の全面完成と完全開放に立会いました。「M20+世界トップ博物館会議」は初めて開催され、中国文明と外国文明の交流と相互学習における上海博物館の革新を反映し、中国内外の博物館関係者が経験を共有し、協力交流し、インスピレーションを刺激するための重要なプラットフォームを提供しました。今回の会議は「変化と不変」をテーマにしました。
中国最初の博物館が誕生した都市として、上海は常に博物館を文化の展示と継承、文明間の相互学習の重要なキャリアにしています。世界一流の「博物館都市」を構築することを国際文化都市建設の重要な担い手として、博物館事業の質の高い発展を積極的に推進してきました。2023年末までに、上海には165の博物館があり、人口15万1000人あたりに1つの博物館があります。「博物館ブーム」はますます加熱しており、博物館へ行くことは上海市民にとって日常のレジャーとなり、上海を訪れる観光客にとって重要なやることとなっています。
M20+世界トップ博物館会議の現場の様子(写真・上海博物館)
国際博物館会議(ICOM)執行委員会委員の趙豊氏は、国際博物館会議は1946年の設立以来成長し続け、現在5万人以上の会員を擁しており、ほとんどの博物館がこの世界的な博物館ファミリーのメンバーであると述べました。上海博物館が開いた新たな章は、中国博物館の歴史の新たな章でもあります。今回の会議を通じて、過去を理解し、世界を結び、未来を迎えることを期待していると同氏は話しました。
会議は2日間続き、「基調講演」は上海博物館党委員会書記の湯世芬氏が司会を務めました。故宮博物院常務副院長の娄瑋氏はまず、文化財保護、学術研究、文化コミュニケーション、文明交流の4つの面から故宮博物院の発展の歴史と時代の変化に対応する策略を紹介しました。
アメリカのメトロポリタン美術館の最高執行責任者、最高財務責任者兼資産責任者であるJamie Kelleher氏は、博物館が来場者の多様性を維持しながら、来場者によりパーソナライズされた体験を生み出し、そして多様な手段を通じて地元の人々や国際観客とのインタラクションを拡大し、複数のオンラインおよびオフライン体験を最適化する方法について共有しました。世界的な美術館として使命を守り、革新を追求するメトロポリタン美術館の精神を示しました。
イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館の副館長兼最高執行責任者でイーストバンク委員会委員長のTim Reeve氏は、具体的な事例を踏まえ、ヴィクトリア&アルバート博物館東館がロンドンイーストバンクオリンピックパークの新しい文化エリアの中心として、どのようにコレクション、展示方法、観覧方法に新たな変化と創造性をもたらしたかを紹介しました。
上海博物館館長の褚暁波氏は、上海博物館の「変化」と「不変」からスタートしました。近年、博物館は中国の人々の「精神的な故郷」となりつつあると同氏は述べました。 「1つの博物館のために1つの都市へ行く」ブームが起きています。昨年、中国の博物館には延べ13億人近い来場者が訪れ、今年は上海博物館新館と旧館に合計延べ600万人以上が訪れる見込みで、いずれも過去最高を記録します。人民広場から東館まで、上海博物館は多くの変化を遂げ、来場者も変わり、私たちが住む世界も以前と大きく異なっています。上海博物館は、過去を収蔵する博物館がいかに現在に役立ち、歴史の光を未来に照らせることができるかを考えてきます。したがって、上海博物館は世界中の博物館の同僚を招待し、「変化と不変」の絡み合いの中で博物館の使命について話し合い、博物館の発展の道筋を共同で探求すると同氏は表明しました。
2日間にわたった「特別講演」には、フランス、日本、スペイン、イギリス、アメリカ、アラブ首長国連邦、シンガポール、ウズベキスタン、韓国、ポルトガルなどの国々および、中国香港、陝西省、河南省、山西省、遼寧省、南京市、広東省、重慶市、湖南省、湖北省、浙江省などの地域の博物館の代表者は、「汲古為新:文化遺産の保護と解釈」、「和合共生:グローバリゼーションとローカリゼーションの接続」、「擘画未来:科学技術エンパワーメントと大衆参加」 という3つのテーマをめぐって議論しました。
出典:澎湃新聞(The Paper)