「上海で世界中の逸品を買う」——都心型保税倉庫が高級消費の「新エンジン」に

japanese.shanghai.gov.cn

海外企業の中国進出に伴うコスト削減と国際貿易の活力向上を目指し、上海はここ数年、保税倉庫の整備を革新的に推進してきました。静安区や黄浦区などの都心部において、保税倉庫の新設やパワーアップが相次ぎ、「保税機能」と「一等立地」を融合させるという、かつてない取り組みが実現しています。

税関の監督・管理下にある保税貨物専用の倉庫として、都心型保税倉庫の最大の強みは、「課税の繰り延べ」にあります。輸入商品は入庫した段階では関税、付加価値税、消費税が課されず、中国国内で実際に販売される際に初めて徴収されます。また、再輸出される場合は、保税状態のままのため、関連税が免除されます。

さらに、都心型保税倉庫は「保管」と「展示・取引」機能の壁を取り払い、公的な監督の下で運営され、体験性も兼ね備えた展示・取引空間を創出しました。ブランド各社は倉庫内で展示イベントを開催でき、来場者は展示品を見て、その場で税込価格で気に入った商品を直接購入することが可能です。従来のように、数日から数カ月に及ぶ待ち時間は不要となっています。

010116_p21.jpg

静安区に位置する張園保税倉庫の展示ホール(写真提供・解放日報)

都市の中心部に保税機能を取り入れることで、海外ブランドの中国進出におけるコストやリスクが軽減され、上海を拠点とした初展開や限定展開が相次いでいます。これにより、上海が国際消費センターとしての建設を加速させ、「上海で世界中の逸品を買う」というビジョンは、現実のものとなりつつあります。

例えば、張園保税倉庫で行われた初の保税取引は、中国市場に初参入した100年以上の歴史を持つフランスのブランドによるものでした。保税・展示・取引のモデルを活用し、同ブランドは数十万元規模の販売実績を挙げ、中国市場進出への確信を得ました。また、近頃開催された「ピアジェ 」の期間限定体験展も、同保税倉庫の支援で実現しました。2024年11月の運営開始以降、張園保税倉庫では国際ブランドによる初展示・初披露イベントが14回開催され、取扱商品の総額は1億元を超えています。

都心型保税倉庫の急成長は、国際ブランドが上海への進出意欲を高めると同時に、地元の高級消費市場の活性化にもつながっています。イタリア宝飾品貿易企業ベチバー(VETIVER)の責任者・龔利峰氏は、「現在、上海で輸入博覧会に参加する際、試行中の『輸入博直通車』政策により、展示商品を保税倉庫から会場へ直送できるようになり、最短35分で完了、取引効率が大幅に向上した」と語っています。

010116_p20.jpg

黄浦区にある東浩蘭生保税倉庫の保税商品展示ホール(写真提供・解放日報)

都心型保税倉庫の活用を一段と進めるため、静安区と黄浦区は現在上海税関と連携し、保税・展示・取引機能の適用範囲を拡大し、政策の恩恵をより広く波及させていく計画です。

2024年7月以降、税関総署の承認を受け、張園保税倉庫の保税・展示・取引機能は「空間を越えて」拡張されました。ルイ・ヴィトン 恒隆広場店、ジバンシィ 興業太古匯店、ロエベ 嘉里センター店などが先行試行拠点に組み込まれています。また、同倉庫は空港税関と連携して「グリーンルート」を開設し、ブランド向けに通関・課税から展示・プロモーションに至るまでの一貫サービスを提供しています。一方、黄浦税関はオフィスエリアを保税倉庫と同じフロアに設置し、販売後の移動手間なく追納手続きを完結する「ワンストップ処理」を実現しています。

今後、静安区と黄浦区は税関との協力をさらに深め、都心型保税倉庫のカバー範囲を一層拡大させ、南京西路商業エリアから静安区全域、さらには淮海路・新天地、豫園エリアへと広げていく方針です。

出典:解放日報、上観新聞