上海のナイトエコノミー進化中——多様で複合的な夜間経済エコシステムを構築
中国でナイトエコノミーの規模が最大の都市である上海は、多様で複合的な夜間経済のエコシステムを形成しています。2025年6月以降、上海の夜間消費総額は880億900万元に達し、前年同期比3.3%増となり、「2025中国都市ナイトエコノミー指数」においても、引き続き全国1位です。
多くの都市にはそれぞれ固有の夜間経済があります。たとえば、成都の夜は「市井の風情」に満ち、西安の夜は「盛唐の文化」の色彩を帯び、重慶の夜は「幻想的な山の都」が基調であり、厦門の夜は「海辺のブランド」を打ち出し、杭州の夜は「西湖の文化」を描き出します。これに対し、上海の夜間経済は多様で複合的なエコシステムであり、あらゆるシーンと人をカバーする「全スペクトルのナイトライフエコシステム」をなすものです。これはまた、国際的な大都市である上海の特質とぴったり重なっています。
今年の「上海ナイトライフフェスティバル」では、多様で複合的な夜間経済の姿が一挙に展開されています。6月から9月にかけて行われ、第1弾として130にも及ぶテーマ性のある夏の夜のイベントが市内から郊外に至るまで展開されています。また今年は初めて、5人の「夜間のドリームメーカー」(ナイトエコノミーを創り出す市場主体)を打ち出しました。この優秀な夜間経済経営者たちの「夢づくり」の物語を通じて、上海ナイトエコノミーの多様性が映し出されています。
現在、猛暑が続く中、「夜の経済」は熱気を帯びています。7月以降、「ナイトツアー」に関連する検索数とコメント数はいずれも前月比で約100%増加しました。美団旅行のデータによれば、上海は「ナイトツアー」検索人気都市のトップ10に入り、「黄浦江ナイトツアー」などが検索の人気ワードとなっています。
7月、上海市商業連合会は、上海における初の「夜間経済人気ランドマーク」5ヶ所と「ナイトライフおすすめスポット」5ヶ所を発表しました。「夜間経済人気ランドマーク」は「新天地―太平湖エリア」「呉江路―豊盛里エリア」「西岸夢センターエリア」「陸家嘴富都濱江―正大エリア」「豫園エリア」で、「ナイトライフおすすめスポット」は静安ジョイシティ「夜食テラス」、普陀「グローバルハーバー・不夜港」、楊浦「エネルギッシュ大学路」、閔行「ソウルナイトマーケット」、長寧「上生・夜未央」が挙げられています。

賑やかな雰囲気が漂う静安ジョイシティ「夜食テラス」の露店エリア(写真・上観新聞)
8月初旬、上海市はナイトエコノミー発展に関する座談会を開催し、夜間経済人気ランドマークとナイトライフおすすめスポットの経営責任者10人と9区の商務部門による夜間経済の発展についての説明が行われました。
瑞安新天地、興業太古匯、西岸夢センターなどの代表は、営業時間延長、時間帯別無料駐車、夜間消費の新たなシーン創出などについて革新的な取り組みを紹介しました。静安ジョイシティ、上海環球港(グローバル・ハーバー)、大学路などの代表は、周辺交通の改善、マーケット承認手続きの迅速化、景観照明の強化、協働による街づくり推進などを提案しました。

市民や観光客に人気の西岸夢センターの水辺の露店エリア(写真・上観新聞)
上海市商務委員会の朱民主任は、各区のランドマークとおすすめスポットの経営責任者に対し、「創造性と主体性を発揮し、夜間消費促進イベントを企画・実施し、商業・観光・文化・スポーツ・食事の連動を強化して夜間消費の潜在力を引き出すべきだ。新業態・新モデルを育成・導入して新たな夜間消費シーンを創出し、24時間型の『夜の上海』消費の新ランドマークを築くべきだ。上海の料理文化を広めて中国・世界のグルメを普及させ、より生活感あふれる国際的なグルメ都市をつくるべきだ。さらに政府・企業間のコミュニケーションを深め、夜間経済の発展について提案を集め、各種サービスを向上させ、安心で快適な消費環境を整備すべきだ」と強調しました。

ナイトエコノミー発展に関する座談会(写真・上海市商務委員会)
現在、第2回「上海の夏」が熱く進行しています。国際消費センター都市にふさわしい夜間経済の拠点を構築するという「開かれた課題」に対して、上海には常に探求の余地があり、この尽きない可能性こそが、「夜の上海」の唯一無二の魅力なのです。
出典:上海市商務委員会、上観新聞、青春上海News—24時間青年報