上海、老舗レストランの夜間営業モデルを転換

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復旦大学(上海)ビッグデータ実験室のデータによると、今年6月以降、上海の夜間消費総額は880億900万元に達し、前年比3.3%増加しました。淘宝閃購(淘宝のデリバリーサービス)のデータによると、7月以降、上海の週末の夜食デリバリー注文数は前月比倍増しました。

その中で、夜間飲食はナイトタイムエコノミーの主力です。いくつかの老舗レストランの店舗も、オンライン・オフラインの多次元ネットワークを構築することで、複数のプラットフォームと多様な選択肢という健全な競争環境の中で収益を増やしています。

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仕事中の配達員(写真提供・上観新聞)

瑞金病院の隣にある滄浪亭紹興路に位置するあるレストランはかつて「昼は満席、夜は閑散」という課題に直面していました。オンラインデリバリーサービスの運用で新たな成長ポイントを生み出し、夜の病院周辺の客足減少を効果的に解決しました。王長松店長は、「餓了麽プラットフォームで『冷やしワンタン+とんかつ』と『漬物肉絲麺+素鶏(豆腐の一種)』の『一人前定食』を提供することで、一人暮らしをしている人の夜食ニーズに的確に対応している」と語りました。

1883年に創立された徳興館は今年4月、歴史的な突破を実現しました。同レストランの復興薈支店の営業時間が初めて24時まで延長し、旧市街で深夜まで営業する珍しい飲食店の一つとなりました。その立地優位性でホテルの宿泊客が夜グルメ探訪にやってきて、「上海の味の代表」という位置付けと、餓了麽・美団・京東・淘宝閃購のオムニチャネル展開が相まって、新たな消費シーンが生まれました。夜10時以降、配達員と店内客が行き交い、冷菜と炒め物のセットメニューや家族向けの大盛り料理が次々と食卓に運ばれる光景が見られています。

中秋節まであと2カ月余りになり、徳興館では焼きたて月餅の生産ラインはすでに稼働しています。7月10日に発売された蜜汁叉焼(ミジュウチャーシュー)月餅は3カ月の開発期間を経て大ヒット商品となり、オンラインセールスが「列に並んで購入する」という従来のモデルを書き直しました。店舗では9月10日から2つのオーブンを使用した3交代制を開始し、オンライン注文専用の包装ラインを設け、「オーブンから食卓まで」の鮮度を確保する計画です。この100年の歴史を持つブランドは、ナイトタイムエコノミーの分野で伝統の技と現代消費パターンを融合し、「存続」から「成長」への飛躍を遂げようとしています。

滄浪亭の冷やしワンタンから徳興館の深夜のオーブンまで、これらの老舗の夜間営業のモデル転換の物語は、上海の飲食経済の強靭性を示しています。

出典:上観新聞