外国人観光客が上海外灘に押し寄せる好機を上海の商人はどうとらえるのか
この2ヶ月の間、上海は中国を訪れる多くの韓国人にとって最初の訪問地となっており、「金曜日の退勤後に上海へ飛ぶ」ことが韓国人旅行客にとって普通のこととなっています。上海税関によると、2024年12月に上海浦東空港から出入国した韓国人観光客は13万人を超えました。ランドマークを巡り、地元のグルメを味わうことが韓国人観光客の上海での日常になっていることが見て取れます。
外国人観光客が上海に押し寄せる好機を、上海の商人はどうとらえるのか。記者が上海市商務委員会に同行して現地を取材したところ、多言語のショッピングガイド、出国時の税金還付、海外でのチケット購入手段の追加などを通じて、上海の実店舗は各種サービスを全面的に向上させ、新しい消費の活力を引き出すことに取り組んでいることが分かりました。
英語、日本語、韓国語などの「多言語のショッピングガイド」の追加
第一百貨商業センターでは、「很久以前(懐かしい羊肉串)」「海底撈」「牛NEWすき焼き」などが外国人観光客の「必ず食べたいものリスト」に上がる人気お店となっており、毎晩10時を過ぎると、これらのお店の顧客の多くは海外からの観光客で、特に韓国と東南アジアからの観光客が全体の70%~80%を占めています。
第一百貨商業センター運営管理部の喬慧君責任者は、「データによると、昨年12月以降、第一百貨全体の客数は、前年同期比20%以上増加し、今年1月から、第一百貨全体の客数は、前年同期比30%以上増加しています」と述べました。「1月17日から、第一百貨は『多言語ショッピングガイド』サービスを開始し、国内外からの外国人観光客がサービスカウンターで『中国語、英語、日本語、韓国語』などの多言語ショッピングガイド冊子を受け取り、ショッピングをより楽しめるようにしました」。
人気の羊肉串店舗「很久以前」は、中国語に加え、英語、韓国語の表示を追加した。(写真・上海静安)
より良いサービスを提供するため、「很久以前」の店舗には韓国語のサービス案内板が設置され、関連するサービスのガイドが韓国語で表示されています。
そして、「費大厨」上海新天地店、人民広場来福士店、悦薈広場店など、外国人観光客の多いお店でも外国人観光客が食事しやすいように、韓国語、英語の案内板を設置し、メニューも中国語、韓国語、英語にて表示するようにしています。
この海外からの人の流れを掴むために、上海のお店は次々と「本領を発揮」しています。正大広場では、外国語研修を実施し、50言語の翻訳機を備え、多言語の案内板を設置し、多言語の公式サイトを構築し、支払い方法と外貨両替サービスを改善し、外国人観光客に細やかで心温まる体験を提供しています。FOUND158は既に外国のカードでの決済を実施しており、一部の店舗では英語に加えてスペイン語のサービスも提供しており、これはマイナー言語の顧客に喜ばれています。
一部の実店舗の商業施設では「出国時の税金還付サービス」を追加
記者が調査したところ、海外からの観光客の消費ニーズに応えて、上海の一部の実店舗商業施設では出国時の税金還付サービスを開始しています。
「500元以上の買い物をすると、出国時に税金還付を受けることができます。還付対象商品の還付率は11%ですが、還付手続きをする機関が2%の手数料を徴収するため、外国人観光客が実際に受け取る還付率は9%で、還付通貨は人民元です」。第一百貨店1階のカスタマーサービスセンターの陳佳敏さんは記者に、「最近、W.M.などのファストファッションの婦人服やアディダスなどのスポーツブランドの売上が顕著に増加しております。また、化粧品類も外国人観光客の上海での消費の第一選択となっています」と述べました。
出国時の税金還付サービスのほか、正大広場の地下1階には、Ctripの外貨両替所もあり、外国人観光客が簡単に通貨両替を行うことができます。
上海市商務委員会によると、上海市は引き続き、主要な商業エリア、ショッピングストリート、スーパーやコンビニ、飲食店、コンベンションや展示会、薬局などや主要店舗施設での支払い円滑化環境の構築を推進しています。2024年末までに、市内の6万5000の店舗と9万台以上の端末で外国のカードを使えるようにし、「海外電子ウォレット国内利用」「海外カードの国内アプリ登録」といったモバイル決済の適用シーンはさらに拡大し、支払い方法はさらに充実しています。
蟹味噌小籠包、紅焼肉(中国風豚の角煮)、ワンタンが上海料理の必食グルメ
2024年11月以来、ローカル生活のコンテンツプラットフォーム「大衆点評」の韓国ユーザーの1日の訪問数が増加し続け、月の総訪問数が40%近く増加し、ビザ免除政策実施前と比べ1日の訪問数は300%以上の伸びを記録しました。プラットフォームのデータによると、昨年11月以来、韓国人観光客は上海で焼肉、上海・江蘇・浙江料理、韓国料理を好んでおり、これらのカテゴリーのレストランのコメント欄に韓国語の投稿が増加しています。通常の食事や軽食に加えて、韓国人観光客はまた、ネットで人気のミルクティーお店「覇王茶姫」やサウナなどのレジャー施設のコメント欄にも多くコメントを残しています。
上海の「必食リスト」にある小籠包の専門店「萊萊小籠包」は、上海を訪れる韓国人観光客が必ず訪れるグルメスポットとなっています。同店の関係者によると、この2週間で同店の韓国人や外国人客の割合は20%以上を占めており、一番人気は看板メニューの蟹味噌鮮肉小籠包で、ワンタンや紅焼肉などの郷土料理も試していると言います。
「海外のグルメブロガーの推薦に加え、中国国内の友人や上海在住の韓国人の友人に連れられてくる韓国人客も多いです。この種の客はたいてい大衆点評の『必食リスト』のレビューを見て当店を選びます」と店の担当者は紹介しました。
上海の「必食リスト」レストランの「人和館」の藍総経理によると、韓国人は肉が大好きで、店に来ると必ず上海料理の紅焼肉を注文するといいます。また、「蟹味噌」が好きな韓国人観光客は、人和館の「蟹味噌飯」も高く評価しています。揚げ小籠包や小籠包などの「名物料理」も非常に人気があります。「韓国人にとって、上海といえば、ほぼ焼き小籠包、小籠包なのでしょう」。
韓国人観光客は中国に来ると、地元のオンラインプラットフォームを使って食事を楽しんでいます。人和館のスタッフによると、一部の韓国人客は「大衆点評」を使ってオンラインで番号札を取って並ぶこともあるそうです。人和館の待合エリアでは、韓国人だけでなく、タイ、日本、韓国などの国の客もよく見られます。「これは国際都市である上海の特質に合っています」と藍総経理はこの国際的な食文化の交流と融合のこの雰囲気が続くことを望んでいると語りました。
出典:東方網、上海静安