輸入博8年の歩み――国際協力を推進し、サプライチェーンのボトルネックを解消
(写真・IC)
日本企業ブラザーグループのブース責任者である李霦氏は「輸入博は私たちに大きなビジネスチャンスをもたらし、同時に、世界のサプライチェーンのボトルネックを解消してくれました」と述べました。中国が8年連続で輸入博を開催し、国際調達・オープンな協力・投資促進などのプラットフォーム機能を絶えず強化してきたことが、グローバルサプライチェーンの強化と再構築に対する「中国の貢献」でもあるといいます。
第5回輸入博では、ブラザーグループは新型カラーインクジェット複合機を初披露したほか、「オンデマンド印刷・ページ単位課金」という革新的なビジネスモデルを打ち出しました。このプリンターには「オンデマンド印刷」機能が搭載されており、ユーザーはインクやトナーなどの消耗品を購入する必要がなくなります。例えば、家庭で印刷をする必要のある保護者は1000ページ分の印刷権を購入するだけで、インクが乾いたり切れたりしても追加費用は不要です。ミニプログラム上で無料でインクを申請するだけで済み、より簡単・便利で、家庭での印刷ニーズに支障をきたすことがないという仕組みです。
しかし、このプリンターが中国市場に投入された後、予期せぬ問題が発生しました。専用インクに微量のトリエタノールアミンが含まれていたのです。この成分は中国国内では規制化学物質に指定されており、特定のルートを通じて輸入・申告する必要があります。そのため、中国のユーザーがインク切れでインクを無料申請しても、同社は関連ルートを通じて輸入手続きを行わねばならず、1往復で半年近くもかかるという状況がありました。これにより、輸入コストが増大し、顧客ニーズにも即時対応ができていませんでした。
その転機もまた、輸入博で訪れました。
輸入博の関連イベント「技術装備分野、外資系企業円卓会議」において、ブラザーグループの関係者は最新の政策動向を把握するとともに、この難題を率直に提起しました。「私たちは2つの核心的な懸念を表明しました。1つは外資系企業がいかに公平に政府調達へ参加できるか。もう1つは輸入製品に含まれる化学品成分の厳格な規制の問題です。その際、関係部門の責任者からは、中国国内で生産された外資系ブランドの製品も、政府調達において国産品と同等に扱われることを改めて明言していただき、さらにインク輸入の問題については、関連する各方面と連携して迅速に対処することを約束してくださいました」。李氏は「この約束はまさに強心剤でした。中国がビジネス環境の向上とオープンな協力の促進に本気で取り組んでいることを実感しました」と振り返りました。
昨年、工業情報化部・商務部など複数の国家部門が連名で「低濃度トリエタノールアミン混合物の輸出入規制措置の最適化に関する通知」を発表しました。規制政策がさらに明確化され、関連の輸入プロセスが大幅に改善されました。この新政策の恩恵を受けて、ブラザー社のインクジェット製品の輸入サイクルは大幅に短縮され、会社の資金面でのコストが減少するとともに、中国でのインクジェット製品の販売量は前年比130%以上の急増を遂げました。
こうしたサプライチェーン上のポジティブな変化こそが、輸入博のプラス効果を如実に示す証しです。
8年の発展を経た現在、輸入博はもはや単なる国際的な展示・販売のプラットフォームではなく、その価値も「大型契約の締結」の場を超え、中国の産業チェーンがグローバル連携の中で「ピースを埋める」ための貴重な機会へと進化しています。
出典:解放日報