中国市場へ揺るがぬ自信を示し、持続可能な未来を目指す 東芝
「以前、東芝はB2C企業だと思われましたが、今ではB2B企業に転換しました。私たちはグリーントランスフォーメーションとデジタルトランスフォーメーションを通じて、中国市場により良質な製品とソリューションを提供し続けたいと考えています」と東芝(中国)有限公司の董事長兼総裁の八木隆雄氏は、11月6日に輸入博の東芝ブースでこう語りました。
第7回輸入博での東芝ブース(写真・東方IC)
同氏によると、中国の顧客は持続可能な発展に対する意識がますます高まっており、中国市場ではグリーン製品や低炭素製品に対する需要も高まっているといいます。東芝は、輸入博に7年連続で参加する「古い友人」として、地熱発電設備やVPP(仮想発電所)、気象レーダーデータ分析技術とデータストレージなど、多数の革新的なソリューションを今回の輸入博で初公開しました。
100年以上の歴史を持つ東芝はリストラを進めています。「目標は東芝のあるべき姿へ戻ることです」と八木氏は話しました。同氏は記者団に対し、東芝の再興計画の中核目標は2026年度に営業利益率(ROS)10%を達成することであり、これは会社全体の収益性と持続可能な成長にとって重要なマイルストーンであると紹介しました。
この過程で、東芝は人員構成と業務重点を調整しました。東芝はこの間、日本国内従業員を最大4000人削減すると発表しました。八木氏は、上記の経営目標を達成するには人員削減を含む固定費用の削減が必要で、今後はより将来性のある事業に注力していくという考えを説明しました。今年5月、東芝グローバル社長兼最高経営責任者(CEO)の島田太郎氏は、余剰人員の削減に加え、東芝は経営資源を脱炭素化、パワー半導体、量子技術などの成長分野に投資していくと述べました。
八木氏は、東芝にとっての中国市場の重要性はリストラで揺らぐことはないと強調しました。「我々は依然として中国市場に非常に自信を持っており、中国が良好な成長傾向を維持すると信じています。東芝は中国のパートナーとの協力を深めたいと考えています。リストラ後、東芝は中国での事業をよりよく展開すると確信しています」。
輸入博の東芝ブースでは、地熱発電設備は初めて展示されました。現場の東芝地熱事業担当者によると、東芝は1950年代から地熱発電設備の設計・製造に携わっており、70年以上の歴史があり、世界中で豊富な供給実績を有しているとのことです。中国は世界で最も豊富な地熱資源を持つ国の一つであり、膨大な地熱エネルギー埋蔵量と幅広い市場を持っています。「中国は暖房に地熱資源をよく利用していますが、発電にはほとんど利用していません。中国の再生可能エネルギー開発は主に風力、太陽光、水力に焦点を当てていますが、将来的には限られた地域で地熱発電設備と技術が利用されるチャンスがあると信じています。なので、輸入博を機に展示を行います」と同担当者は語りました。
電力市場化の背景の下、東芝は仮想発電所(VPP)の商用化を積極的に推進しています。中国市場では仮想発電所の発展は目立つようになっています。新エネルギーを主体とした新型電力システムの構築が目前に迫っており、電源、負荷、貯蔵を統合・調整して電力市場に参加する仮想発電所は、その重要な役割を果たすことが期待されています。国と地方の政策の積極的な指導の下、仮想発電所は開発の機会を迎えています。
仮想発電所技術展示エリアの前で、東芝の関連業務の担当者は、東芝が人工知能技術を駆使して風力発電と太陽光発電の高精度予測を実現し、大規模な再生可能エネルギーと電力網システムの協同に貢献していると紹介しました。東芝は10年以上にわたり、日本で多数の仮想発電所モデルプロジェクトに参加しており、現在は商用化段階に入っています。中国の電力市場には大きな発展の可能性があり、東芝は仮想発電所の中核技術を現地化して中国市場に推進していきます。
「東芝は初めて輸入博に参加して以来、潜在顧客の開拓やブランドイメージの強化など、ますますプラスの効果が見られてきました」。八木氏はインタビューで、中国はすべての企業にとって非常に魅力的な市場であり、輸入博は企業にとって非常に重要な市場開発の機会だと表明しました。
情報源:澎湃新聞(The Paper)