中国「ペット経済」の成長に注目 輸入博のジェトロ「ペット館」で日本企業が最新製品をアピール
第7回中国国際輸入博覧会の消費財展示エリアには大きなパビリオンがあり、そこにはメガネをかけた白黒の「ブチネコ」とグレーと白の「アメリカンショートヘアネコ」がくっついています。舌を出してかわいい姿をして、多くの来場者が足を止めて見入っていました。
この「猫の家」のロゴが掛かっているパビリオンは日本貿易振興機構(ジェトロ)が設立した「ペット館」です。館内にはペット消費関連業界の日本の企業や団体54社の計850点の製品やサービスが展示されており、中国のペット消費市場を開拓することが期待されています。そのうち、多くの企業や製品が初めて日本以外の市場に登場します。400平方メートルの展示スペースには、犬や猫などのペットの日用品を網羅した商品やサービスが並んでいます。
第7回輸入博の消費財展示エリアにジェトロが出展する「ペット館」の一角。
「この特殊効果商品が輸入博でより多くの中国人に好まれるようになることを願っています」と長年ペット用品販売を経営するLP会社の大阪拠点の白田幸英氏は言いました。同氏は初めて持続性の消臭猫砂を輸入博に持ち込みました。この猫砂は月に1回交換すれば良いので、1パック1000円の猫砂が中国で大きな市場を獲得できることを期待していると話しています。
よく見かける犬猫のペット用品に加え、しなやかで小柄な日本の魚を展示する5つの水槽もあります。上海からの訪問者、周婷氏は昨年輸入博でペット用歯ブラシを購入しましたが、今年の目まぐるしい展示品に驚きました。彼女の3歳の息子と、家族の 7 歳のコーギーは「仲良し」で、誕生日を過ごしたり、キャンプをしたり、旅行に行ったりして、同じコートを着ていることもあります。「私たちの愛犬は徐々に『老年期』を迎えています。健康で幸せで、私たちの子供と長く一緒にいてくれることを願っています」と言いました。
周氏のように、ペットを「子供」として扱い、自分と同じ生活を楽しませようとする中国人が増えています。ペットフードや日用品も充実しており、「ペットインキャビン」や「ペット客室」も注目を集めています。
第7回輸入博の消費財展示エリアにジェトロが出展する「ペット館」の一角。
中国の「ペット経済」が台頭しており、「2023-2024年中国ペット産業白書(消費報告)」によると、中国都市部のペット消費市場は2023年に2793億元に達し、2026年には3613億元に達すると予想されています。
「また、日本のペットの猫と犬の平均年齢は6~7歳であるのに対し、中国のペットの猫と犬の平均年齢は3~4歳であることにも気づきました」とジェトロ上海事務所の高山博副所長は述べました。これは、中国では多くの人がペットを飼い始めたばかりであり、ペット市場はまだ成長していることを示していると同氏は指摘しました。シニアペット向けの製品やサービスは中国で大きな可能性を秘めており、日本企業はより成熟した開発経験を持っており、より多くの中国企業と協力することができると付け加えました。
多くの日本企業は中国を重要なインキュベーターとみなしています。スタートアップ企業のバディクラウドは、ペット用尿検査ストリップとオンライン照会サービスを提供しています。尿検査の写真をアプリにアップロードすると、尿タンパク質、白血球、ブドウ糖、PHなどの結果がわかります。自宅での検査の費用は1回あたり約80元です。今年8月に日本市場で開始されたばかりのこのサービスは、輸入博でもPRされています。
同社の藤井峻最高経営責任者(CEO)は「中国の消費者はオンラインサービスの利用に非常に慣れており、中国市場では家庭でのペット検査がよりはやく広められるでしょう」と述べました。
第7回輸入博の消費財展示エリアにジェトロが出展する「ペット館」の一角。
ジェトロは、輸入博に7年連続で参加する「皆勤組」として、中国の消費市場の変化に注目してきました。日本酒、梅酒、焼酎、調理用醤油といった食品から、スキーやバーベキューなどのアウトドア用品に、さらに今日のペット製品やサービスに至るまで、中国人は心身の健康とより良い生活への追求はますます高まっていることがわかります。
ジェトロ上海事務所の天野真也所長は、中国の消費者の需要はますます多様化し、細分化された分野が発展していることから、市場のニーズを正確に把握することが日本企業にとって極めて重要であると考えています。また、同氏は、中国が引き続き輸入博を開催し、対外開放を継続的に拡大していることの意義を理解することもできたとも述べました。
情報源:新華社