輸入博の物語:東京海上 中国進出30年、輸入博の「舞台」で共創・ウィンウィンを
「中国市場はオープンで、魅力的です」。輸入博は世界に向けて強いシグナルを発信し続けています。東京海上日動火災保険(中国)有限公司の新しい総経理の結城一郎氏は、このシグナルの意味する重大な価値を実感しています。第7回輸入博に出展することが、今年就任した彼の「優先事項」です。
東京海上日動火災保険(中国)有限公司の結城一郎取締役兼総経理 (写真・中国新聞社)
結城氏は、「輸入博に参加することで、各業界の最新の取り組みを知り、最先端の技術動向を理解し、自社のビジネスと結びつけて新たなビジネスモデルを構築することができます」と述べました。彼は、輸入博は共創によってウィンウィンを実現し、「思考を刺激する絶好のプラットフォーム」だと捉えています。
中国でのプレゼンスを深める
東京海上は1879年に設立された日本初の損害保険会社です。フォーチュン・グローバル500社の1社として、東京海上は30年にわたって中国での事業を展開してきました。
第5回輸入博では、「健康促進産業連盟」が発足した。(写真・東京海上)
多くの多国籍企業は輸入博を、中国市場を理解し、参入するための「新しいチャンネル」とみなしています。一方、長年中国で事業を行ってきた「老舗」外資系企業にとって、輸入博はより深い意味を持っています。
「輸入博は、私たちが協力や市場参入へのチャンスを掴むための扉を開くものであり、経済的価値を実現しながら社会的価値を向上させることにも役立ちます」と、結城氏は語ります。
1992年、上海は中国本土で初めて保険分野で対外開放を試験的に実施した都市となり、多くの外資系保険会社が次々と上海に進出しました。1994年、東京海上は上海に支店を開設し、中国初の外資系損害保険会社の事業組織となりました。
東京海上は上海で30年にわたって、中国の保険業界発展の「立会人」・「受益者」であり、「参加者」・「推進者」でもあります。
優先事項
東京海上の30年間の発展の軌跡を振り返り、「3年連続で輸入博に出展」したことが中国での「発展の歴史」の代表的な事柄に挙げられるとしました。数え切れないほどの展示会に出展してきたこの「老舗」の外資系企業にとって、輸入博への出展が「優先事項」であるのはなぜでしょうか。
結城氏は、「輸入博は、東京海上の強みと実績を示すプラットフォームを提供してくれました」と述べ、また、輸入博は企業が世界の発展動向を把握し、中国における自社の発展戦略を調整するための「風向計」でもあると言います。
2024年、中国での事業展開30周年を迎える東京海上。 (写真・東京海上)
「中国は巨大な市場規模、急速な経済成長、そして絶えず改善され続けるビジネス環境を有しています」。広州、深セン、上海での勤務経験がある結城氏は、中国市場について独自の観察眼と理解を持っています。彼の見解によれば、中国の人々の富の増加とリスク保障に対する意識の高まりに伴い、中国の保険市場のニーズは多様化と個別化の傾向を示しており、さらに政策環境も改善されています。彼は、「これらはすべて、外資系保険会社が発展するための大きな可能性を提供しています」と述べます。
結城氏は、長年にわたる中国での仕事を通じて、中国市場の急速な変化と継続的な技術革新を実感しています。彼は「このような環境では、企業は社会的な課題の解決に取り組むことで、中国市場の成長に適応する必要があるのです」と語っています。
省エネと低炭素は企業運営にとって重要な方向となり、健康産業と高齢化イノベーションは新たなビジネスの成長分野となり、多くの企業が産業のアップグレードを進めています。このような輸入博での「最先端の風」は、外資系企業にとって中国市場の鼓動を掴む絶好のチャンスです。
2021年、「安心と安全を提供し、持続可能な未来に貢献する」をテーマに、東京海上は初めて輸入博に出展しました。2022年、東京海上日動(中国)は「持続可能な発展戦略」を会社の経営戦略に取り入れ、中国の国家戦略と市場動向を踏まえ、グリーントランスフォーメーション」「健康と高齢者介護」「防災・減災」「産業アップグレード」の4つを重点分野に定めました。
国境・業界を超えた協力
「気候変動や人口の高齢化など、現在、私たちが直面する社会問題はますます複雑化しています」。結城氏は、これらの社会問題は決して1企業が対処できるものではなく、企業間のより幅広い協力によって、対策を講じる必要があると感じています。
彼は、「私たちの『友達の輪』が広がっています」と述べ、東京海上日動(中国)は継続的な輸入博への参加を通じて、新たなパートナーとの出会いがあったと言います。
輸入博という大舞台では、「共創」は企業間だけでなく、異なる分野や業界間でも発生し、国境・業界を超えた協力の新たなチャンスが次々と生まれています。
第5回輸入博では、保険、電気機器製造、オートメーションソリューションという3つの異なる産業分野に属する東京海上日動(中国)、パナソニック電気設備(中国)有限公司、オムロン(中国)有限公司が「健康促進産業連盟」を設立する契約を締結しました。中国で活動する日系企業3社は、「輸入博の舞台」で国境・業界を超えた協力に達し、それぞれの製品とサービスの強みを十分に発揮し、協力して大規模な健康サービスのエコシステムを構築しました。
国境・業界を超えた共創のさらなる継続として、第6回輸入博の「中日健康増進とイノベーション技術発展フォーラム」では、東京海上日動(中国)と中国リハビリ技術実用化・発展促進協会が手を携えて、政・産・学・研の垣根を超えた対話を展開し、共同でスマート健康産業の多分野融合発展のための新たな道を模索しました。
「輸入博に参加することで、国内外の同業者と深く交流し学べるだけでなく、より多くの協力チャンスと潜在的な市場を発見し、企業の経済的価値と社会的価値を同時に向上させることができます」。結城氏は、輸入博がもたらす啓示は、企業が協力して共創することで、着実に前進できるということだと述べました。
第7回輸入博は「東京海上の中国進出30周年」にあたります。結城氏は「第7回輸入博への出展は、東京海上にとって中国展開の節目であり、共創・ウィンウィンの新たな出発点でもあります」と述べ、「ぜひ私たちのブースにお越しください」と各界の方々に呼びかけました。
情報源:中国国際輸入博覧局